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狂少女
【犯罪 推理小説】

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-3

拓也は、やさしく明るい性格で年下には、お兄さん的で面倒見があって人と接しない木花の事がすごく気になっていた。

『木花ちゃん、毎日じゃなくてもいい・・・少しだけでもいいから誰かと話をしてみようよ』

『別に話すことはない・・・』

『うんっそうか、でも今こうやって会話をできてるだろ?』

『拓也君が話しかけてくるから・・・』

『そうだよ、木花ちゃんと話がしたかったから』

その時、食堂のTVでニュースが流れていた。
例の3人組の不良高校生殺害のニュースだった・・・
そう誰も木花が殺ったなんて思ってない、職員達も住人達も言葉を失いTVを見つめていた。

『ところで木花ちゃんのお父さんとお母さんは?』
『・・・お父ちゃんは誰かに殺された・・・お母ちゃんは解らない』

『そうだったんだぁ・・・大変だったんだね』

『別に・・・あの時アタイ5歳だったからよく解らない・・・』

外は雷が鳴り、強い雨が止まらない、その中でずぶ濡れになりながら施設を見つめる1人の男が立っていた。

『木花ちゃん、大きくなったね・・・木花ちゃんの殺し見たよ、おじさん感動しちゃったぁ』

不適な笑みで木花の名を口にする謎の男は施設にゆっくり背を向け去っていった。

拓也は木花の部屋から出ようとドアノブに手をかけ・・・

『話できて良かったよ、あんまり夜更かしするなよっおやすみ』

『・・・おやすみなさい・・・』

拓也は満面な笑みを見せ木花の部屋から出た。

“ニュースです。今日3人の男性が殺害された場所で20時頃警官2人が何者かに喉元をかき切られ殺害された模様・・・道警は同一犯の可能性と見て捜査を進めています。”

『みんなも外出する際は十分気をつけてね!』

女性従業員はTVを見ている子供達に注意を呼び掛けた。
すると食堂の出入り口から木花はTV画面をジッと見つめていた・・・

“あれはアタイじゃない・・・アイツだ・・・”

木花は十文字の傷跡をゆっくりなぞりながら不適な笑みを浮かべた。





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