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満里子
【フェチ/マニア 官能小説】

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満里子-26

真っ直ぐこちらを目指して近づいてくるが、警官の類ではない。貧相な痩せた男でカメラを持っている。明らかに覗き屋である。途端に優輝の性器は力を失って抜けてしまった。満里子は『どうしたの?』という顔をして見たが、優輝が男が近づいてくると言うと、跨ったまま慌てもせずに優輝の示す方角を見た。野外でしようと言い出すくらいだから、見られても構わないというのかも知れない。或いは見られると興奮するのだろうか。しかし男がカメラを持っていると指摘してそれを自分でも確認すると、流石に直ぐ立ち上がった。逃げるように足早に公園を出てタクシーを拾い、どっかと座って漸く一息つくと満里子が優輝のズボンのジッパーを開けて性器を取り出し、再び咥えた。たった今満里子の性器の中に入っていて拭いもしていない汚れた性器を口に入れたのである。日頃の満里子だったら考えられないことだ。シートで見えないとは言え、ドライバーには雰囲気で何をやっているのか分かるに違いない。優輝は恥ずかしくて身を固くし、満里子のおかげで性器も固くしていた。
 優輝は女にセクシーな服装を強いるし変わったセックスをしてみたいという欲望も強いから、淫らで破廉恥な人間だと言われても反論などしない。それなのに、どうも自分が人に見られるというのは苦手なのである。女を裸にして外を歩かせたり、自分も裸になって外でセックスしたりというのが出来ないし、やりたいとも思わない。それはセクシーな服装を強いるのと50歩100歩だと言われそうだが、優輝には質的に異なる欲望のようにしか思えない。
 その夜は二人とも相当に高まっていたようで、家に帰ると空がすっかり明るくなるまで何時間もやり続けた。あそこがすり切れるみたいな感じがしたけれども草臥れ果てるまでやめなかった。最後には満里子は「行って。もう行って。もう感じすぎて気が狂いそう」と叫んだ。優輝はそれでもそれから更に30分くらい続けたから、満里子の顔は汗と涙でくしゃくしゃになった。いつもより更に大きな叫び声を上げ続けて、それは獣の咆吼のようだった。叫び声だけではない、体も薬の切れてきた麻薬患者がのたうち回って苦しんでいるかのように暴れ、その癖結合した性器の一点はしっかりと優輝の体に押しつけていた。性器はおろか体中ベタベタになったまま二人は抱き合って眠りについたのだった。
 「昨日は激しかったねー」
 「ああ。あんなの初めてだな」
 「私もう死ぬかと思った」
 「凄い叫んでいたな。暴れてもいたし」
 「もう頭の中が真っ白になってた」
 「いつも飲むとあんなことをやって帰って来てたんだろう」
 「馬鹿」
 「本当に貞操帯穿かせないと飲みに行かせてやれないな」
 「馬鹿」
 「やり過ぎてオチンチンが痛い」
 「私のあそこもヒリヒリする」
 「洋子ちゃん達もあの後僕達みたいにやりまくったんだろうな」
 「あの二人は凄いらしいわよ」
 「どんな風に?」
 「良くは知らないけど、気が狂いそうになるほどのセックスなんだって」
 「それなら僕達だってそんなのをしたじゃないか」
 「そうね。でも初めてじゃない」
 「あんなのを毎日やっていたら死んじゃうよ」
 「毎日やって欲しい」
 「あそこがヒリヒリするって言ったじゃないか」
 「ヒリヒリしてもやって欲しい」
 「それじゃバイブレーターを使うか」
 「そんなの厭。優ちゃんのでないと感じない」
 「嘘つけ。バイブレーターだって気が狂ったようになる癖に」
 「セックスの時は気持ちいいけど、バイブレーターで感じると本当に苦しくなる」
 「それが感じるっていうことさ」
 「違うわ。気持ちのいい感じ方と苦しい感じ方は違う」
 「もう当分セックスは出来ない」
 「どうして?」
 「オチンチンが腫れ上がってる」
 「本当? 見せて」
 「ほら」
 「全然変わりないよ」
 「そんなことない」
 「いつもと変わらない」
 「それじゃ気のせいかな」


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