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【推理 推理小説】

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Story〜夕焼けと2人の高校生〜-3

「えぇ。それじゃあ話しますね。



――最初の事件は3ヶ月前の4月に起こりました。その時の被害者の名前は『真辺 可奈萌<まなべ かなめ・女>』さん。17才でした。」
「17才か、若いな…。」
「そうですね。彼女は学校帰りに犯人に出会し、お腹を包丁で一突きにされ、そのまま亡くなりました。多分、通り魔的犯行だったと思います。



――次に起こった事件は、今から2ヶ月前になります。5月ですね。その事件では『土居 華依<どい けい・女>』という方が亡くなりました。彼女も同じく17才で、朝、ジョギングをしに外に出るところは家族が見ていたのですが、それから行方不明となり、その後死体で見つかりました。



――3番目の事件は1ヶ月前の6月に起こったもので、被害者は『森ノ宮 李<もりのみや すもも・女>』さんです。彼女も今までの事件と同様に、17才でした。彼女は川原で倒れているところを発見され、病院まで運ばれましたが、間に合わずに亡くなってしまいました。



僕がテレビ等で得た情報を合わせるとこんなところですね。
2人とも何か質問はありますか?」
温かい紅茶をカップの半分程飲んで、青治は2人に聞いた。
「全員17才なんだな。」
「えぇ。そうみたいです。」
「あんたさっき言ってたじゃん。」
「あれ?そうだったっけ?」
「はあぁ〜」
黄依は呆れ顔で溜め息をついた。
「………。」もう返す言葉も見付からない。
「う〜ん…。これだけじゃ情報が足りないわね。
……どうしたの?里紅」
(えぇ〜〜!?)
里紅は目を見開いて驚いている。
「情報って…。どうするつもりですか?2人とも。」
「どうしましょう。黄依さん。」
里紅はふざけて青治の口真似をした。
「どうもこうもないし。ただ暇だから警察の真似事でもやろうかなって思っただけ。」
黄依はアイスコーヒーを一口飲んだ。
「へえ〜。そうなんですか。それでどうですか?何か分かりましたか?」
「ん〜…。今のところ情報が全然無いから犯人の手掛りが掴めないわね。どうする?里紅」
「えっ!俺?…そうだなぁ。あ!お前の兄貴に聞いてみるってのは?色々教えてくれるかもしんねーぞ。」 里紅は笑いを堪えている。
「え…。ちょっと待った、それは流石にやばいって…。」
「稲荷さんのお兄さんがどうかしたんですか?」
頭に‘?’を浮かべた青治が里紅に聞いた。
「あぁ、こいつの兄貴なぁ、なんと「わー!ちょっと待った!!」
黄依は顔に冷や汗を浮かべ、里紅の口を両手で塞いでいる。
「里紅…。」
「はい?」
「あんた…。マジで殺すよ?」
額に青筋を浮かべている黄依が、いつもより一段とドスの効いた声で里紅の耳元に呟いた。
「ひっ!…す、すいませんでした!」
「分かればいい、分かれば。でも、あいつは呼ばないからね。」
「それなんだけど、残念ながら、実はもう呼んじゃってるんだな〜、お前の兄貴。」
「……!?」
黄依は声にならない声をあげている。
「稲荷さん?大丈夫ですか、稲荷さん!」
無反応。
「稲荷さん!!」
「わっ!な、何?」
戻ってきた。
「大丈夫ですか?稲荷さん。」
青治が心配そうに黄依の顔を覗きこむ。
「ん、大丈夫大丈夫。コイツをシメれば私の機嫌は直るから。ねぇ、里紅?」
「へ?いや、それは、ちょっと………ぎぃやぁ〜〜〜!!」


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