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【推理 推理小説】

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Story〜夕焼けと2人の高校生〜-2

「早すぎたか…。」
里紅は意味の無い独り言を呟いた後、携帯を取り出しもう1度ディスプレイで時刻を確認する。

―AM9:47―
(…足すと20、掛けると252)
数字を見ると和と積を計算せずにはいられない。里紅の癖だ。
(それより後15分か。暇だなぁ。)
約束は10時からなので、15分程早く来てしまったということだ。とりあえず里紅はテーブル席に座った。

『カラァン』
上面がガラス張りの喫茶店のドアが開き、黄依が入ってきた。
「あれ、早じゃん里紅。八月一日は?」
「よう、黄依。青治はまだ来てない。」
「ふぅん。そうなんだ。まぁ、いいや」
そう言うと黄依は里紅の向かいに座った。
「あれ、珍しいな黄依。今日はスカートか。」
里紅は驚いた顔をしている。黄依がスカートを穿くのは本当に珍しいことなのだ。
「どうでもいいでしょ。そんな事。…それより何か話してよ。暇。」
(『暇。』だぁ!?)
里紅は、黄依のまるで女王様の様な態度に微かに怒りを覚えたが、それを抑え込み、返事をする。
「わ、分かったよ…。じゃあ、あれでいいか?
ほら、この前の事件…」
「事件?…あったっけ?そんなの。まぁ、いいや、それで。」


―AM10:01

「全っ然分かんないんだけど。」
コーヒーが香ばしい喫茶店『MILD』で、黄依の声が響いた。店内は小さく、入り口の左側の壁はカウンターで4席、反対側の壁には大きな窓がついており、テーブル席で同じく4席しかなく、5人入れば良いほどの大きさなので、小さな声でも響く。
「…何でだよ。さっきから同じことばっか説明してるぞ。青治よりお前の方が理解力無いんじゃないのか?」
呆れ顔で里紅は言った。
「なんか言った?里紅」
黄依は顔に『恐怖の』笑みを浮かべている。
「…すいませんでした。」こうなるともう謝るしかない。
「それより里紅。もう一回話してよ」
窓際に座っている黄依は冷たいアイスコーヒーに口をつけた。彼女は軽い猫舌なので、ホットコーヒーを頼まずアイスコーヒーにした。
「僕が話しましょうか?」
テーブル席で黄依の斜め前に座っている(隣は恐れ多くて座れなかった。)青治が、紅茶を一口飲んだ後に言った。彼は黄依が『mild』に入ってきた5分後位にこの店にやって来た。
「あんた分かんの?」
「えぇ。こういう話好きですから。」
「へぇ。そうなのか。」
黄依の向かい、青治の隣に座っている里紅は、煎れられてから5分と経っていないホットコーヒーに砂糖とクリームを2つずつ入れた、熱〜くて甘〜いコーヒーを飲んだ。


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