屈辱と快楽・・・美雪視点-1
私が渋々ながらも、温泉旅館に泊まる事を承諾した為、棒田さんは勝ち誇ったように、ニヤニヤしながら私に話し掛けてきました。
「ここの露天風呂・・・混浴なんだぜぇ!奥さんも一緒にどう!?」
「だ、誰が、あなたと何か・・・」
「アハハハ、気が変わったら入っておいでぇ」
棒田さんは私にそう言い残し、機嫌良く露天風呂に入りに部屋から出て行きました。
「ハァ・・・あなた、ごめんなさい・・・でも、身体には触れさせないから」
私は思わず主人に対する申し訳なさで独り言を言い、冴えない表情で浴衣を持って温泉へと向かいました。念の為フロントで確認すると、棒田さんが言って居たように、バスやタクシーはもう無理だと分かりました。私は諦めの境地で、渋々内風呂に行きましたが、内風呂は脱衣所や洗面台も木で出来ていて、室内は明るい感じで、思わず私は目を輝かせました。実は私、温泉って大好き何です。でも、実際に行こうとまでは思えず、もっぱら雑誌やテレビの温泉特集などを見て、自分が行った気持ちになっていたぐらいですけど・・・
「ウワァァ!改めて温泉旅館を見てみると・・・素敵ぃ!」
私は、さっき棒田さんに騙された事で、温泉旅館をよく見て居なかったですが、実際にこうして温泉にやって来ると、趣むきがあって素敵で、つい言葉に出ちゃいました。女と書かれたのれんを潜り、木の香りに満ちた脱衣所には、混浴露天風呂に出る為の、赤い湯衣が置いてありました。済んだ気分も一変、私はさっきの勝ち誇ったような棒田さんの顔を思い出してしまい、
(誰があんな男と一緒に混浴何て入るもんですか)
私はそう思いながら、今日着て来たグレーのトップスとブラウンのスエードスカートを脱ぎ、ベージュのスリップとピンクのパンティを脱ぐと、内風呂に入りました。内風呂で身体を洗い、温泉を満喫して居ると、内風呂からも、混浴露天風呂に出られるようになっているのに気づきました。
「中から露天風呂に行けるんだぁ!?どうしよう・・・折角来たんだし、覗くだけ覗いてみようかしら?」
温泉好きな私は少し興味を持ち、脱衣所に戻って赤い湯衣を着てみました。私の胸の谷間がくっきり出てしまい戸惑いましたが、混浴露天風呂を覗くだけ覗いて見ようと、勇気を出して混浴露天風呂に出てみました。幸い棒田さんも上がったのか、誰も入って居らず、私は素晴らしい緑に囲まれた岩風呂の混浴露天風呂に、吸い込まれるように入って行きました。お湯に付けても湯衣が透ける事も無く、私は安心して岩に腰掛け、景色を見ながら混浴露天風呂を満喫して居ると、
「フフフ、ようやく入ってくれましたねぇ?」
「ぼ、棒田さん!?」
青い湯衣を腰から着た棒田さんが、男の内風呂から入って来ました。おそらく私が入って来るのを、内風呂の入り口から見張って居たんだと思います。私は、慌てて露天風呂の中に身を沈め、棒田さんから距離を取ろうとしましたが、棒田さんは馴れ馴れしく私に近付いて来ました。
「ここは湯衣があるから、あまり恥ずかしく無いでしょう?」
「そ、それはそうですけど・・・でもやっぱり・・・」
私が戸惑って居ると、棒田さんの視線は、私の胸の谷間に釘付けでした。私は身の危険を感じ、
「さ、先に出ます!」
私は棒田さんから逃げるように、女の内風呂に足早に去りましたが、入る前に振り返ると、棒田さんは私の後姿をジィと凝視しているようでした。私は、元々付けていたピンクのパンティを穿き、ベージュのブラ付きスリップを身に纏うと、ピンク色の浴衣を羽織って着替えました。私は脱いだ衣服を手に持ち、湯上り所で庭を眺めながら、宿の天然水を飲んでいると、温泉に入った事と素晴らしい景色を見た事で、先程まで怒っていた感情も収まって居ました。棒田さんも男の内風呂から出て来ると、私の浴衣姿を見つめ、
「湯上りの奥さんも・・・綺麗だぁぁ」
「もう、からかわないで・・・」
怒りも収まった私は、棒田さんと共に歩き、部屋へと戻りました。お料理も美味しくて、お刺身や猪のお肉、山菜など美味しく頂き、棒田さんは上機嫌で地元のお酒を注文して飲み始め、美味しいお料理や自然溢れる外の景色に気を良くしてしまい、私もついハメを外して、棒田さんに薦められるままに清酒を頂いてしまいました。ですが、操を守ろうという誓いは忘れず、棒田さんの布団と距離を取り、こちら側には絶対に入らないと棒田さんに誓わせました。私は、その日の最後はお酒の力もあり、気持ち良く就寝しました。