UFO飛来-2
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「どう見てもあの科学力に適うわけはないだろう? キラウエア火山にでも撃たれてみろ、ハワイ島は全滅だ」
「しかし、2人の女性を差し出せなどと言う要求に応じるわけにも……」
結論が出るはずのない議論に終止符を打ったのは警察署長だった。
「要するに『たまたま』女が2人外にいればいいんだろう? 後は連中が勝手に攫って行くさ、戒厳令は出しているんだ、君の落ち度にはならんよ」
「その2人が問題なんじゃないか、外には人っ子ひとりいないんだ、お前が出ろなどと言えるものか」
「自主的に外に出れば良いんだろう?」
「それはそうだが……」
「俺に任せてくれれば上手くやるがね」
「た、頼む」
「おっと、無条件と言うわけではないぜ」
「むっ……」
警察署長が州知事の椅子を狙っている事は知っている、次の州知事選挙で再当選する自信はあるが、ライバルになるとすればこの男だ。
「俺に任せてこの場を丸く収めるか、宇宙人との戦闘を望むか、どっちだ?」
「しかし……次の選挙が……」
「そんなことを言ってる場合かね?」
「……くそ……わかった……この騒動が収まったら、わしは引退を表明する、それでいいかね?」
「ああ、いいだろう、俺に任せてくれ」
警察署長はにやりと笑った。
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メアリーはベテランの売春婦。
グラマラスなボディと熟達の手練手管で稼いで来たのだが、40歳を超えた今となっては自慢であり最大の武器でもあった豊満なバストは重力との戦いに押され気味、目尻のしわもメイクで隠すことが難しくなってきていた、客はどうしたって若い方から先に選んで行く。
そこでメアリーが取った作戦、それは13歳になる娘のマヒナと一緒に街に立つことだった。
ロリータと熟女の組み合わせ、二人組の客を取り、相手を交換しての二回戦で倍稼ぐ。
メアリーはルックスこそ衰えているが、ベッドの中では熟練のテクニックを誇り、マヒナはテクニックこそ未熟だが初々しい肢体を誇る、豊潤な熟成肉のステーキとピチピチと新鮮な魚介、その両方を味わえるとあればリピート客は引きも切らない。
作戦は当り、マヒナと一緒に街角に立って2年になる。
当然未成年に売春させることは法に引っかかる、しかし本物の母娘だ、一緒にいるのは不自然ではない、なんとでも言い逃れは出来てきた……昨日までは。
「だから、あたしたちは機嫌良く町を歩いていただけだって言ってんだろ? この石頭のインポ野郎」
2人はゆうべ囮捜査に引っかかって留置場に入れられ、ずっと取調べを受けている、この近辺では唯一、外の騒ぎを知らない2人なのだ。
「失礼します」
若い警官が取調室に入ると取調官に耳打ちをする。
「なるほど、そうか、わかった」
取調官は警官に小声で応えると、苦りきった顔でメアリーに向き直る。
「釈放だ、さっさと出て行け」
「へえ、一体どういう風の吹き回し?」
「囮捜査が問題にされているんだよ……クソ州議会議員がわめいているらしい」
無論、これは2人に疑問を抱かせない為の嘘だが……。
「なるほどね……あたしたちにとってはリベラル議員さまさまってわけね、おあいにく様」
「減らず口を叩いていないでさっさと行け」
「はいはい、言われるまでもないわ……マヒナ、行くわよ」
「うん、ママ」
「あ〜、一晩でも拘置場はこりごりだね」
警察署の外に出られ、メリーが伸びをしながらマヒナを振り返ると、マヒナは目を丸くして固まっている。
「どうしたの? マヒナ」
「ママ……あれ……」
指差した先を見ると……。
「ママ、あれ、何?」
「知るもんかね……」
「……UFO?……」
「……逃げた方が良さそうだね」
2人は踵を返したが、警察署の扉は既に固く閉ざされた後。
「「わっ」」
眼も眩むような一筋の光に包まれた2人は瞬時に気を失い、光のベルトコンベアにでも乗せられたかのようにUFOの中へと連れ去られて行った。