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ワイキキビーチに落ちる巨大な影
【SF 官能小説】

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UFO飛来-1

「くそっ!どうしたらいいんだ!」
 ハワイ州知事はテーブルを叩いた。
 急遽会議室に集められた政治家や役人も困り果てている。
 秘書がおずおずと口を開いた。
「彼らの言うとおりにする他はないのでは……」
「馬鹿を言うな!そんなことをしてみろ、わしは戦いもせずに女性を差し出した卑怯者扱いされてリコール間違いなしだ!」
「戦うしかありますまい」
 タカ派の大物議員がふんぞり返って発言すると、軍のトップは青ざめる。
「さっきの攻撃を見ただろう? 合衆国軍隊が束になっても敵わん」
「核ミサイルを打ち込もう」
「敵はホノルル上空だぞ? ホノルルが吹っ飛びオアフ島が放射能に包まれるわ……だれかいいアイデアを持っておる者はおらんのか!」
 知事が机を叩いて立ち上がった時、警察署長が口を開いた。
「あんたが次の選挙に出ないと約束するなら、俺に一つ考えがあるがね」
「なんだと? 貴様、知事の椅子を狙っているのか?」
「いけないかね?」
「論外だ!」
「奴らは一時間おきに例の光線を発射すると言っているが?」
「ぐ……」

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 異変が起きたのはほんの二時間前のこと。
 1万人規模のアリーナほどもあるUFOが飛来し、ワイキキビーチに巨大な影を落として空中でぴたりと静止したのだ。
 ビーチは大騒ぎ、観光客は蜘蛛の子を散らすように逃げ去り、ビーチはおろか街中から一切人の姿が消えた、みな建物の中で息を潜めるようにしている。
 州知事はすぐさま命令を出し、UFOの中に居るであろう宇宙人とのコミュニケーションを取ろうと音階による会話を試みた。
「ピポピポピ?」
 その試みに対する反応は、意外なことに英語で帰って来た。
「意味が分からない、英語を使え」
 どうやら高度な翻訳機を備えているらしい。
「私はアメリカ合衆国ハワイ州知事アーノルド・イーストウッドだ、君たちはどこから来た? 君たちの飛来の目的はなんだね?」
「我々はR星から来た、調べても無駄だぞ、君たちには未知の惑星だからな、地球人の女を2人差し出せ、我々との間で生殖活動が可能か調べたい」
「生殖活動だと?」
「ああ、我々の故郷R星に、衝突すれば星そのものの存続に関わるほどの隕石が飛来して来てな、その破壊には成功したものの、大きな破片がR星のあちこちに落下して環境が激変してしまったのだ、それ以後、男子しか生まれなくなってしまった、このままでは近い将来R星人は死に絶える、それでR星に良く似た環境を備える星を調査することにしたのだ、我々は銀河系担当と言うわけだ」
「そ……その調査とは?」
「簡単なことだ、我々自身が種付けをして妊娠が可能かどうか調べ、可能ならばR星に連れ帰る、混血は進むが、絶滅よりはずっとマシだろう? 妊娠出来なければそのまま解放して次の星に行くだけだ」
「た……種付け?」
「君らはそれをセックスと呼んでいるらしいな」
「ば……馬鹿げたことを……そんな要求は飲めない」
「君らは体面を重視するらしいからな、しかし、さっき隕石を破壊したと言っただろう?」
「あ、ああ……」
「その証拠を見せてやろう」
 
 UFOから一筋の光線が放たれたかと思うと、ダイヤモンドヘッドが粉々に砕け散った。

「見たかね? 今のは隕石を破壊した光線をごく控えめに発射しただけだ、パワーを最大にすればこの島くらいは簡単に消し去れる、さあ、一時間待ってやろう、一時間で要求に応えないならば、今の光線を一時間ごとに発射する、次の目標はどこがいいかね?」


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