第3話 終わらない脅迫-10
車に戻ると、俺は「もう、俺に係わらないでくれ、もう誠意は見せただろう」とウィッグを外す。二人は無視して汐莉が運転する。そして翠は助手席で携帯をいじっていた。「おい、無視してんなよ」と俺が怒鳴ると汐莉が『なら、次で降ろしてあげるわよ。その格好でね』と次のサービスエリアを言った。車はすぐにサービスエリアの入り口に近づくと、俺は「あっ、何でもないです」と小さくなると翠が『あら、ウィッグを付けたら、トラッカーが拾ってくれるかもよ。体目当てで』と笑う。そして車を止めると俺のウィッグを被せて車を降りた。二人は俺に『トイレだけど一緒に来る?』と言ったので俺は待ってると言ったが後悔する。翠がいつの間にか俺の背中に張り紙を付けていたのに気づかずにうろついていたのだ。そのせいでトラッカーが声を掛けてくる。張り紙には「私の体を好きにしていいから目的地まで乗せて」とあったのだ。俺は張り紙をゴミ箱に捨て二人を探すが見つからないので駐車場に戻ると車も消えていた。俺は本当に置いて行かれたと思い、座り込むと翠が現れて『ほら、早く来なさいミノリ』と声を掛けてきた。俺は少し涙ぐんでいた。俺は車ではおとなしくしていた。高速を降りて暫く行くと翠の車が見えてきた。そこはディラーで翠は車検に出していたらしく翠と別れた。俺は自分の服にもどるが下着は女性のままだ。車が俺の家に近づくと『その服は持って行きなさい』とマキシワンピースを指差した。が俺は置いて車から降りた。