アイノチカラ-12
「お、おはようございます…。」
若菜と華英が宿泊するホテルのロビーに現れたマギー。杉山と一夜を過ごした事をいじられるのは確実だ。それを考えると気が重くて仕方がなかった。もしかして控えてくれるかな…、そんな願いはもはや抱く事は忘れた。
「おっはよー、マギー!昨日は何発ヤッた!?」
ニコニコしながら手を振り周りの目など気にもせず大きな声で言って来た。
「!!(な、何なのこの人は!?あ、相変わらず恥ずかしい人!!)」
顔を真っ赤にして顔を背けるマギー。
「あ、無視しないでよぅ♪」
マギーの元へ歩み寄り肩を指でツンツンして何故か甘えた声を出す。
「じゃ、行きますよ?」
会話は無視して歩き出すマギー。しかし若菜はしつこい。歩きながら顔を覗き込みながら聞いてくる。
「ねぇ、1回じゃ終わらないわよねぇ?2発?3発??」
「知りません!」
「え〜!覚えてない程いっぱいヤッたのぉ〜?」
「そ、そうゆー意味じゃありませんから!!」
警視総監になっても若菜は何ら変わりはなかった。マギーは早足で呼んでおいたタクシーに乗った。
「いーねー華英ちゃん、マギーは愛する人と一晩中イチャイチャチュッチュしてたんだってー!私たちは1人寂しくオナニーしてたってゆーのにさー。」
「…」
運転手は驚いたような顔をしてルームミラーで若菜を見た。初めは聞き間違いかとも思ったが、そうではなかった。
「でも若菜さんのオナニー講座、物凄くタメになりました♪お陰で超気持ちィオナニーが出来ました♪」
「でっしょ〜??オナニーの事なら何でも聞いてね?もっと詳しく教えてあげるから♪」
「ありがとうございますぅ♪楽しみぃ♪」
若菜と華英は本当に気が合うようだ。人を小馬鹿にしてくるあたりは性格もそっくりだ。マギーは知らんぷりをして窓の外を眺めていた。
「指をこうしてそこをこうすると、もう力が入らないぐらい気持ちいいんだよ?」
「あ、じゃあ早速試してますぅ〜♪」
そんな会話に運転手はソワソワして落ち着かない。
「あまり聞かない方がいいですよ?こっちまで頭がおかしくなっちゃいますから。」
マギーが運転手に言った。
「は、はぁ…」
怪訝そうな顔をしながらもしっかりと2人の話を聞いている運転手に呆れるマギー。
(どいつもこいつもみんな頭がおかしいわっ!!)
鼻から溜息をついたマギー。そんなマギーも窓の外を見ながら杉山とのセックスを回想し、少しパンティを濡らしてしまったのであった。