お母さんじゃない-11
(11)
部屋が白く輝き、振り向くと母の裸身が陽炎のように揺れた。
「裕太、服を脱いで……」
言われた言葉は聞こえていたが、彼が裸になったのはその言葉に従ったというより、得体の知れない何かに導かれたような感覚であった。
全裸になった裕太に差し伸べられた母の手に彼は一歩、二歩と距離を詰めていく。
指を絡め、母はベッドに誘い、横たわった。
母の裸身……。灯りに反射するほど白く目映い。
「よく見なさい……」
胸が弾み息がせわしくなっていた。
ペニスは腹に当たるほど漲っている。
母の脚が開く。陰毛に囲まれた秘部が割れた。灯りに光ったのは地帯に潤った愛液である。だが、裕太に淫液の生理の実態はわからない。
母が彼の手を取り、陰部に導いていった。
「女はこういうものなのよ」
裕太の指を自らに差し入れた。
「あう……」
(熱い……)
ぬめりの量はめぐみと比較にならない。引き抜くと蜂蜜をまぶしたように見えた。
ふたたび差し入れる。
「う……」
女体が強張る。食い入るように局部を見た。黒ずんだ秘唇はぐっしょり濡れ、赤い内部が生き物のように見える。
「もっと、速く」
抜き差し、
「速く」
抑えた声が強い。クチャクチャと音。
「あ、裕太」
その直後である。母が身を反らせて唸った。指が締め付けられ、目を閉じて苦しそうに顔を歪めた母に見入っていた。
息を整えながら見下ろす裕太を引き付け、
「ちゃんと見た?見たの?」
「うん……」
そして頭を抱えると自分の乳房に引き寄せた。
「さあ、舐めて、舐めるの」
押さえつけられるまま乳首に吸い付く。
「あう!]
胸を迫り上げてその突き上げた動きに裕太は仰天した。
「裕太、裕太」
仰向けにされ、今度は裕太が見下ろされ、乳房を揺らし、口で息をする母が睨むように見据えた。
「教えてあげる。教えてあげるからじっとしていなさい」
言うや否や、ペニスが握られ咥えられた。
「あ、お母さん!」
「うぐ、うぐ……」
咥えられたのは初めてである。
「あ!」
瞬殺であった。
ドクドク……体が引き攣った。
気が遠くなり、放出が終わり、やがて意識が現実に接触し始める。
(ペニスが……)
母がまだ舐めていた。小さくなったペニスを、舐めていた。
口を拭い、見下ろす母の目は怖いほど真っすぐだった。
「裕太……」
膝立ちになって彼を跨ぎ、少しずつ近づく。
「何でも見せてあげる。……させてあげる……」
陰部が眼前に迫った。しずくが付いた濃厚な秘毛を頂いた裂け目の肉片が揺れていた。
「裕太は私のもの……」
腰を沈めてくる。
「裕太は私のもの……」
うわ言のように繰り返した。
彼の口に愛液を滴らせた性器が触れようとしていた。
「めぐみには渡さない……」
ツンと酸味がかったニオイが鼻腔をついた。
伸ばした舌が秘唇に触れた。
「あ、裕太」
「お母さん」
「お母さんじゃない。そうなのよ。いまはお母さんじゃないの。そうでしょ?」
「お母さんじゃない」
「そうよ。いまは、女なの」
股を押し付けて、亜由美は声を上げた。
「ああ!いい!」
裕太は淫臭に塗れながら舐めた。
「裕太、裕太。秘密よ、秘密。お父さんも大事、あなたも大事、秘密よ」
(ああ、亜由美!)
ペニスがはっきりと反応したのがわかった。