アンジェラ-6
もう6回目ともなるとアンジェラと山名は大分親しくなったが何しろセックスしている時以外は胸を吸っているのだから会話が出来ない。性格の良さそうな男ではあるのだが、アンジェラと会話して親しくなろうというつもりは全然無いらしい。セックスが終わった後アンジェラは膣を締め付けてみた。男は感じているようだ。
「ねえ、少し話したいんだけど、いい?」
「何?」
「私のこと何も聞こうとしないけど親しくなりたいとは思わないの?」
「何で?」
「やっぱり売春婦だから?」
「そんなことないよ。出来れば親しくなりたいよ」
「それじゃ親しくなろうよ」
「いいよ」
「携帯電話買いたいんだけど名前貸して欲しいの」
「電話代ちゃんと払う?」
「払うよ。1回でも払わなかったら解約していいから」
「そうだな。でも国際電話なんかすると電話代が凄いからなあ」
「それも自分で払うから心配要らないよ」
「だって君が払わなければ解約する時僕が払うことになる」
「大丈夫よ。申し込みしなければ携帯電話から国際電話はかけられないから」
「本当?」
「ええ本当。国際電話カードを買えばかけられるけど、その場合は私がカードを買う訳だから貴方に迷惑はかからないでしょ?」
「そうか。それならいいよ」
日時を打ち合わせて2人は初めて外で会った。アンジェラはミニのボディコンを着て膝上まであるロングブーツを履いていたから、SMクラブにいる時と大して雰囲気は変わりなかった。靖は銀行通帳と免許証、印鑑を持参していた。
「本当に山名靖っていうのね」
「漢字が読めるの?」
「うん、余り難しい字は読めないけど」
「たいしたもんだね。別に習った訳じゃないんだろ?」
「始めはカラオケで憶えていったの」
「そうか。それでも凄い。国に帰るとインテリなんじゃないの? 何処かの大学教授だとか」
「まさか。国に帰ればただの失業者よ」
「それだけの美人でも仕事は無いもんかな」
「私のこと美人だと思う?」
「思うよ。どうして? 誰でもそう言うだろ?」
「でも貴方に言われたのは初めてよ」
「そうだったかな。いつもおっぱいばかり吸っていてあんまり話をしたことが無いからね」
「そうよ。どうしてそんなにおっぱい吸うのが好きなの?」
「どうしてって別に好きだから好きなだけなんだ」
「恋人はいないの?」
「いないなあ」
「どうして?」
「あんまり持てないからかな」
「仕事は何してるの?」
「役所に勤めてる」
「役所って?」
「えーと英語で言うとシティホールだけどスペイン語は知らないな」
「シティホールか。いい仕事じゃない」
「全然。給料は安いし同僚は男も女も年寄りばかり」
「でもいい仕事だわ。安定してる」
「まあ不景気でも首にはならないな」
「年はいくつなの?」
「28」
「えー、そんな年なの?」
「何が?」
「21,2だと思ってた」
「そんな若く見えるかな」
「そうよ。私より上だなんて思わなかった」
「アンジェラはいくつなの?」
「26よ」
「えー、そんな年なの?」
「何が?」
「30は過ぎてると思ってた」
「そんなに老けて見える?」
「老けてるって言うより落ち着いてるから。やっぱりSの女性っていうのは大人なのかな」
「私はSじゃないわ。仕事でやってるだけよ」
「それじゃ本当はMなの?」
「SでもMでも無いの」
「え? って言うことは一体何なの?」