四度目の恋-2
「寂しくなるわねー、埼玉だっけ?」
「……はい。」
残念そうな表情を浮かべる妙子さんに暗い顔で力なくそう頷く水原さん。
埼玉って、えっ……。
「祖母の病状が一向に回復へ向かわないもので、そしたら遠くで出稼ぎ中の両親が良い病院を見つけたって言うので。」
「そうよねー、ここからだとあまりに遠いしねー。」
何だ
何なんだ…
先ほどまで浮かれあがっていた気持ちがストンと一気に暗闇へと陥り。
水原さんが埼玉に?それじゃー引っ越すんだよな?当然だけど。この町から、俺の元から離れるのか?
そんな、嘘だろ…
嘘と言って欲しい。だってようやく……それなのに、こんな、こんな事って。
その衝撃的な事実を耳にしてしまった俺は一度その足を止め、ある一つの考えが浮かぶ