の-2
「ねぇ。もっと映画の話をしようよ」
俺に小さなわがままを言う由布子さんが可愛くて。
その場で手を引き寄せてギュッと抱きしめる。
「わがまま言わないで。もう、遅いから。このまま送って行くよ」
離れたくないのは俺の方だよ。
このまま家になんか帰さないでさらってしまいたい。
そう思う気持ちをギュッと閉じ込めて
もう遅い時間なんだと自分に言い聞かせる。
「信之は年下じゃないみたい〜」
少しふくれるフリをしてるけど。
由布子さん、俺は年下に思われないように頑張ってるんだよ。
俺の方が、何倍もまだまだ一緒に居たいと思っているんだ。
そっと彼女の顎を引き寄せて触れるだけのキスをする。
彼女の反応を表面だけ余裕ぶって確認する。
抵抗を見せない彼女の唇に
少し長いキスをして
思わず薄く開けたそこを見逃さずに舌を入れる。
優しく優しく、舌をゆっくりと入れて
彼女の体内に侵入した。
そっと舌を引き抜いて
彼女の頭を胸にかき抱く。
「ヤバッ」
思わず出たその声に、由布子さんが「え?」と
顔をあげようとしたけど
俺は腕に力を入れてそれを阻止した。
「ダメ。俺今すごいニヤニヤしてる。
高校のファーストキスの時よりドキドキしてる」
その言葉に由布子さんがギュッと俺のコートをつかんだ。