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蛍の想ひ人
【女性向け 官能小説】

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-1


年末の主任昇格試験はある程度の自信があった。

ウチの会社は入社して約10年後に1回目の大きな昇進試験があり
そこで同期の多くがふるい落とされる。

そのあとの昇進試験も次々とふるいにかけられて
部長になれるのはほんの一握りだ。

俺たちは同期が主任試験を受けるより1年早く受けることになった。

そして今日、俺と同期の新田は経営管理部の主任に昇進した。

昇進と言っても経営管理部に配属された奴は、大きなことがない限り
生涯経営管理部に所属する。

外部部署には転属しない。

それは色々な部の、重要機密を触る立場にいるから
どの部にも転属にはならないのが普通だ。
逆に・・・転属になった時点で経営管理には戻らないことを意味する。

「おめでとう」

昇進の貼り紙を見ていた俺の肩を新田がポンと叩いた。

「お前もな」

俺たちは・・・
経営管理部に所属された9年前から着実に出世することを義務付けられている。
エリート街道のレースは始まったばかりだ。




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