僕は14角形-25
コンビニのドアから出て3メートル程でようやく僕の理性が本能と拮抗した。
いいのか、おい。確かに僕の恋心のどまんなかストライクだ。でも、相手は僕を「美少女」として認識しているんだぞ。「美少年」じゃない。僕みたいな変態じゃないんだ。多分この人は。健全でノーマルな好青年なんだ。
ところが、心の中の悪魔が囁く。この上なく背徳的な誘惑が心に芽生えて行く。
だって、僕は今は女の子じゃないか。少なくても社会的には。見た目だって完全にというか「完璧に」。裸にならない限りは僕は女の子なのだから、この恋に身を委ねても。
本当は自分が男子であることを白状し、それでもあなたが好きですと告白すればいい。
でも、それでは瞬間的にこの恋は終わってしまう。なら。
嘘でも良いじゃないか。しばらく甘い夢を見たって。
僕はゆっくりと、頷いた。