悦子-22
「気が付いたか?」
「何をなさっているのですか?」
「さっき言っただろう? 君の為に買っておいた下着を手ずから穿かせてやったんだ」
「何ですか、それは?」
「だから下着だ」
「これが下着ですか?」
「これを上着とは言わないだろう」
「気持ち悪い」
「気持ちいいの間違いだろう」
「何が付いてるのですか?」
「数珠のような玉だな。肛門と性器にめり込んでいるから君には見えないかも知れんな」
「そんな物をどうするのですか?」
「どうもしはしない。下着だから穿いているというだけだ」
「こんなの下着にはなりません」
「なるさ。既になってる」
「これが私に相応しいという下着なのですか」
「そうだな。こういうのを身につけていれば君の母性か何か知らないが、少なくとも性器は常に意識出来るだろう」
「帰る時には外して下さるのですよね」
「馬鹿を言うな。これを穿いたまま帰るんだ。尤も泊まりたければ今夜は泊まって行ってもいいぞ」
「明日の夕方には自宅に帰らなくてはいけないんですが、今夜はともかく一旦戻ります」
「何処に泊まっているんだ?」
「親戚の家です」
「そうか。それなら無理にとは言わない」
「これを付けたまま親戚の家に帰れと仰るのですか?」
「親戚というのは君の夫のことか?」
「いいえ、私は独身です。先生に処女を捧げたではありませんか」
「そうだったな。忘れていた」
「私に夫がいないから何だと仰るんですか?」
「夫でないなら、例え親戚だろうと若い女が下着姿を見せたりはしないだろうと言ってるんだ」
「それは見せたりはしません」
「だからそれを穿いていても何ら支障は無い訳だ」
「おトイレはどうするんですか?」
「小便はそのまますれば良い。玉も糸も樹脂製だから小便が染みたりはしない。大便はまあ、一晩くらい我慢しろ」
「酷い」
「明日、故郷へ帰る前に此処に顔を出すという訳には行かないのか?」
「それは1〜2時間でしたら出来ますが」
「だったら待ってるからおいで。その時に僕がそれを外してやろう」
「それまでこれをしたまま過ごせと仰るんですか?」
「ああ。もうちょっとすると馴染んでしまって逆に外せなくなってしまうんではないかな」
「そんなことはありません」
「まあ明日までしていなさい」
「どうしてもそうして欲しいのですか?」
「そうだ。何が何でもそうして欲しい」
「子供みたいに仰る」
「子供がそんな物を穿かせたりするか」
「分かりました。恥ずかしいけれども我慢します。先生の為に」
「ああ、それでいいんだ」
「シャワーを浴びたいのですけれども、これをしたままでシャワーを浴びるのですか?」
「あっ、そうだ。忘れていたから、横になれ」
「又おやりになるのですか?」
「何を?」
「ですから情交をです」
「情交? なるほど、君のようなお上品な女はセックスとは言わないんだな。しかしそんな物を埋め込んでいてどうやってセックスするんだ?」
「あっ、そうですね」
「キスマークを付けてやるんだ」
「もう十分です」
「十分か十分でないかは僕が決めるんだ。横になれ」
「はい。先生はだだっ子みたいでいらっしゃる」
「痛くても感じても邪魔するなよ」
「はい。じっと耐えています」
「よし」
栄一はそれから1時間以上も掛けて悦子の体に沢山のキスマークを付けた。悦子はもうただ栄一のなすがままどころか、協力しているようにさえ見えた。脇の下や乳房など柔らかい所は直ぐに付くが、脇腹や性器の丘などは脂肪が厚くてなかなかキスマークが付かない。吸い続けたので唇も舌も腫れて痺れたような感じになったが、そうなるとキスマークではなく歯形に切り替え、少し痺れが取れた所で又キスマークにするという具合にしつこく付けまくった。体中埋め尽くすという程にはならなかったが、少なくとも胸の周囲は全部紅く塗り潰れてしまった程に付けてやった。脇の下にも沢山付けたから無駄毛の処理をどうしているのか知らないが、当分痛くてやりにくいことだろう。ザマアミロ。悪趣味というのはこういうことを言うのだ。明るい所でセックスするくらいで悪趣味などとは、近頃言う方が恥ずかしいくらいのものだ。濡れやすい体質のようで、栄一が体中にキスをしている間に、愛液の洪水を噴出し、股間に埋まった玉の周りから流れ出していた。もう1度やりたくなったけれども、さすがに前立腺が痛くて、諦めた。