妙子2-42
「どうしてそんなに変わったの?」
「つまりな、美人とブスは紙一重なんだ。凄い美人はちょっとズレると魔法使いみたいな酷い顔になる。あれが入念に化粧して髪をセットすると昼間見た凄い美人になるんだ」
「お化粧すると化け物みたいに綺麗になって、お化粧が剥げると本当の化け物になってしまうのね」
「そうなんだ」
「そんなのってあるのかしら?」
「あるんだ。実際、起きて化粧したら又ハッとする程綺麗になったんだから。だけど俺は既に寝ている時の凄い顔を見ていたから、化粧の下の顔が想像できるんだ。なるほど、本当の美人というのはこういうゴッツイ顔に上手く化粧すると出来上がるんだなと思った」
「気持ち悪いのと気持ちいいのが紙一重というのと同じだね」
「何だ、それは?」
「バイブ付きのパンツ穿いた時に研が言ってたじゃない」
「ん? そうそう、それそれ。それと同じなんだ」
「気持ち悪いと思ってもやっぱりスイッチ入れたら感じたもんね」
「そうだろ」
「でも、あれずっと穿いてたら狂っちゃいそうな気がする」
「狂ったっていいんだ」
「元に戻らなかったら困るじゃない」
「そんなことはない。脱げば元に戻るに決まってる。シャブじゃあるまいし、中毒になったりするもんか」
「でも、あんまり感じるっていうのも苦しいよ」
「そしたら脱がせて俺がチンポを入れてやるから心配するな」
「本当ね」
「本当だ」
「あの時は結局セックスしなかったじゃない」
「それはお前が俺のチンポを咥えたからだ」
「だってあんなの穿いてるから、あそこに入れる訳にいかなくて」
「それで口に入れたのか」
「うん」
「お前は可愛い奴だな」
「そういうのって可愛い?」
「ああ、可愛い」
「それじゃ研の無事を祈って、本当に明日までバイブ付きのパンツ穿くことにする」
「そうか。妙子は偉い」
「大した事無かったね」
「だから化け物屋敷なんて面白くないと言っただろ」
「でも、最後に出口から人が歩いてきた時は恐かった」
「ああ、あれはギョッとしたな」
「もう終わったかと思ったら突然出口から歩いてくるんだもんね」
「あれはお化けじゃなくて掃除しに入ってきただけだろ」
「うん。だけど、もう終わったから何も出ないと思ってたら歩いてきたから驚いた」
「そういうもんなんだ。出そうだと思ってれば何が出ても恐くない。思ってない時に出るとただの掃除係りが歩いてきただけでも驚いたりする」
「こっちが驚いて悲鳴上げたんで、掃除係りのおじさんの方が驚いてたね」
「そりゃそうだ。お前のデカイ悲鳴には俺も驚いた」