宴 〜忌憶〜-10
10 「は、あっ……！あああっ……！」
ショーツ越しの少しもどかしい刺激は、軽い絶頂を迎えた体には、程よい快感となる。
「胤真っ……胤真っ」
指で秘部をいじりながら、胤真は智佳へ口付けた。
「……体……痛くない、よな？」
唇を離し、ふと胤真は尋ねる。
「うん……胤真が、気持ち良い」
「そっか……」
つぷっ！
「ひあんっ！？」
胤真の指がショーツを脇にずらし、蜜壺へと突き立てられた。
ぬちゃっ、にちゅう、ぐぷぷうっ
「おま……中、凄い濡れてる」
指で膣内をかき回し、感心したように胤真は言う。
「い、言わないでよ……気持ち良いんだもん……」
言葉を裏付けるように、智佳の花筒は侵入者をきゅうんと締め上げた。
胤真は思わず、ため息をつく。
「ほんっとこういう時、可愛いよなあ……」
「え？」
独り言を聞き逃した智佳がそう問い返すと、ショーツを下へ降ろした胤真は答えずににっと笑って体を下へずらした。
胤真は智佳の膝の裏に手をやり、大きくＭ字に開かせる。
「！！」
内股に、さらさらの髪が当たる感触。
ぴちゃっ……
割り広げられた秘唇を、胤真の舌が愛撫し始めた。
「ひゃっ……！あ、あ、あっ……んあ、あっ！！」
智佳が視線を落とせば、秘部を舐めている胤真が見える訳で……。
「やっ……！！」
智佳は思わず愛撫から逃れようとするが、胤真が体を押さえ付けてしまう。
「抱いて欲しいっておねだりしたのは、どこの誰だ？」
口の周りを愛液でぬめらせながら、胤真は言った。
「当然、こうされる覚悟はできてたはずだよな？」
れるれるっ、ちゅうううっ、にぷにぷにぷっ
わざと淫らな音をたてて胤真は秘部に吸い付き、指を蠢かせる。
「それに今までだって、時々俺に舐められてるだろうが。恥ずかしいもヘチマもないだろ」
その言葉に、智佳は答えられない。
「はああっ、あっ、んふあぁああっ！！」
敏感な場所を丁寧に愛撫され、智佳の上半身が飛び跳ねた。
「はあ、あ……」
舌と指とで絶頂を迎える間際まで追い詰められ、そこで止められる。
何度もそれを繰り返され、智佳は切なさに身をよじった。
「かっ、胤真……」
「ん〜？」
返事をしながら、胤真は膨らみ切った淫核を舐め回す。
「あああっ……！もう駄目、もう駄目えええっ！」
切羽詰まったその声に、胤真は笑みをこぼした。
「何か、欲しいのあるか？」
潤み切った肉壺の中の感触を指で楽しみながら、胤真は言う。
「お……ち〇ち〇……胤真の、おち〇ち〇が欲しい……」
口周りのぬめりを綺麗にすると、胤真は伸び上がって智佳にキスした。
智佳が、むしゃぶりついてくる。
胤真は気付かれないように肉棒を取り出し……智佳を一気に貫いた。
瞬間。
「――――！！！」
蕩けるような快感が、胤真に襲いかかる。
焦らされ続けた智佳は胤真が下半身の律動を開始すると、あまりの快楽にじたばたともがいた。
指を挿入した時の感触からすると普段と比べて濡れ過ぎているくらいのはずなのだが、むしろ抽送がしづらいほどにきつい。
仕方がないので胤真は肉棒を抜き、智佳の足を持ち上げた。
「あっ、何？何をっ……！？」
狼狽した声を上げる智佳の足の甲へ、胤真は口付ける。
そして、唇を南下させた。
まず、親指を咥える。
「やっ……！？」
まさか足指を愛撫されるとは思わなかった智佳は、ばたばたと膝を動かした。
「やめてっ……やだあっ……！」
口では嫌がっているが、足の指は愛撫をせがむように開いてしまっている。
胤真は、指の股まで殊更丁寧に舐めしゃぶってやった。
「ひぃ……」
初めての感覚に、智佳は全身が弛緩してしまっている。
「お前、足でもしっかり感じるじゃないか」
もう一方の足指も丁寧に愛撫すると、胤真は目を細めてそう言った。
「ん？」
ふくらはぎにキスすると、智佳はとろんとした目付きで首を左右に振る。
「こっちも緩くなって、動かしやすくなったしな」
指を挿入して具合を確かめた後、胤真は再び智佳の中へ沈んだ。