裸の旅団/森の街-2
「あー、ガセーだ。いや、ちょっとお目にかかれない玩具を見つけてな。この間のこともあるし、お裾分けしようと思ってね。ああ? いいよ、ジャンなら。最もあいつは最後のお楽しみにしておこう。あいつの後だとせっかくの穴が壊れちまうからな。そう。それも楽しみだ。玩具が保つように、例のあれもな。いや、ショットはあるから薬だけでいい。待ってるぜ」
男はそう言って受話器を置くと、裸のまま応接間のように広大な部屋の隅に作られたシャワールームに入っていった。せわしない水音がかすかに聞こえる。ケインはなんとか身を起こすと、タオルケットを肩から身に纏う。肛門から膝へ精液がとろりと流れ出したまま、震える脚で部屋を横切り、隣接する扉を開いた。
雑然とした部屋の中央には大きな執務机がある。回りには乱雑な書類が散らばっているが、机の正面には整理された書面があった。
ケインの眼に焦点が戻り、表情が恐ろしく知的に変貌する。慎重に二枚目、三枚目をめくる。そして、四枚目、五枚目。十二枚で書類は終わっていた。そこに記されていたサインをケインは凝視する。
「転写眼」が発動する。百眼のおばばが言っていたケインの特殊能力がそれを文字通りスキャニングする。それはおよそ350DPIでケインの記憶野に転写が終了した。
扉を閉じて、大きな寝室に出ると、そこにはガセーの他に二人の男が立っていた。一人はいかにもな貴族風のタキシードを纏った長身の男で、もう一人はゴルフウエアの背の低い禿頭の中年だった。
「こりゃあ、近年にない上物だね。この街のものじゃないね」長身の男が首を捻る。
「こんなのが居たらとっくに俺が独り占めしているんだけどな」禿頭の男は早くも舌なめずりしている。
ケインはこれから起きるだろう悪夢を前に気が遠くなる。それはどんな悪夢だろう。
しかし、そんなおぞましさにも拘わらず11歳になったばかりのケインが「男娼」としてふるまい始める。三人の男をその翠の瞳を半眼にして、舌を出して肩を可愛らしく舐めた。そして黙ってタオルケットを肩から落とし、まだ内股に垂れる精液を晒したまま、長身の男の前に跪いて股間に頬ずりを始めて左手で「それ」を根元から撫でさする。そして潤んだ目で男を見上げる表情は淫蕩そのものだ。ケインは跪いたまま、華奢な指で長身の男のズボンをまさぐる。
それほど太くはないけど、恐ろしく長い男根は怒張していた。ケインは愛らしい桜色の口唇でそれを先端から舌を使いながら飲み込んでいった。脈打つ血管が痛いほど疼いている。右手はその陰嚢の裏側に回り、優しく撫でさする。