投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Sweet Fragrance
【青春 恋愛小説】

Sweet Fragranceの最初へ Sweet Fragrance 1 Sweet Fragrance 3 Sweet Fragranceの最後へ

Sweet Fragrance2-1

あたし、ゆかり。あたしはかわいい。みんなにも可愛いねっていつも言われる。色白で、黒目勝ちの目がぱっちり。小柄で華奢。そしてなにより、自分の演出が上手なの。みんなが見てるあたしはあたしじゃない。ぶりっ子とは言われないように気は配るけど、話し方や表情や行動はバカっぽくないほどの少しの天然、そしてめっちゃラブリー。そんなあたしには先月まで彼氏がいた。永井達也。かっこよくてさわやかなかんじのモッテモテサッカー少年。かっこいいとは思っていたけど、そこまで好きじゃなかった。男の子なんてアクセサリーと一緒、とはいわない。もともと彼はあたしが好きという噂があって、彼を見ていてそれはよーくわかったから、コクってみた。OKは簡単に出た。あたしたちは付き合うことになった。達也は優しくて、あたしは楽しかった。美男美女カップルってみんなに言われたのもうれしかった。達也はモテるから、たくさんの女の子にうらやましがられたし、嫉妬された。達也もそうだったんだろうけど。達也といた三ヶ月は楽しかったんだけど、あたしが飽き
てしまったのだ。達也はどこまでもあたしに甘くて、それも飽きた原因だ。なにもかも言うことを聞いてくれていた。そんなに尽くされると嫌になっちゃうんだよね。別れよ、っていった時の達也の顔はやっぱりすごくかわいそうだった。あたしめっちゃ愛されてたんだね。でも飽きた彼氏はいらない。これはあたしのポリシーなのだけど、ときめかないのに付き合いたくはないのだ。なぜなら浮気は絶対しないって決めてるから。あたしの場合、ひっきりなしに男は現れる。だからときめいていないとそっちに行ってしまうのだ。それは浮気。浮気は大嫌い。ってことで、あたしは達也を振った。あれから毎日4、5人にはコクられるけど、あたしはまだフリーだ。たぶんあたしは尽くされるのが嫌いなうえ、コクられるのも嫌いみたいだ。そして達也も毎日いろんな女にコクられている。

「ちょっとゆかりちゃん、聞いたぁ?」
お友達の亜希が昨日、朝‘おはよう’も言う前に言ってきた。
「なぁに、亜希??」
「達也くんよ、昨日ね、コクってきた中西まどかを抱き締めたんだって!付き合うのかなぁ?」
「そう。」
やっぱりもうあたしは達也に興味はない。自分でも驚くほど冷めた声が出た。
ってゆうか、中西まどかって誰だっけ?
「ゆかりちゃんはやっぱり捨てた男に興味なんかないわって感じね。」
あたしの冷めた表情に亜希は少し笑う。
「だって…中西さんとかあたし知らないし。」
「何言ってるのよぅ、去年一緒のクラスだったじゃない。」
去年、高一で一緒のクラスだったのは…亜希と付き合った男の子たちしか覚えてない。
「そうだっけぇー、どんな子?」
「全然可愛くない子」
亜希は笑う。
「なんかね、香水がキツイのよ、いつも」
「ふーん。でも達也が付き合うんだからイイトコあるんでしょ。達也いま、毎日コクられてるだろうから、いっぱい選択肢あるはずだもん。」
「だから、なんでわざわざあんなにモテる達也くんが中西さん選んだのかがわかんない。」
亜希はため息をついた。
「だからイイトコあるんでしょ。」
あたしはくりかえす。
「ゆかりちゃんは達也くんに興味ないからそういえるのよ、あたしひそかに狙ってたんだからぁ。」
「そぅなのー、知らなかった」
「噂ではまだまだゆかりちゃんのコト忘れてないから今は無理って言われてたのに…もう、中西さんにやられちゃった」
亜希は唇を噛み締める。なんだかかわいそう。
「でも、その達也と中西さんが付き合うって噂は本当なの?」
あたしの言葉に亜希はちょっと笑った。
「そぅよね、誰が達也くんが中西さんを抱き締めたトコみたんだろ?たぶん告白現場を見に行った達也ファンがいたのよ。」
達也ファンねぇ。なんだかバカバカしい。亜希に言いはしなかったけど、あたしには達也ファンも亜希もよくわかんなかった。


Sweet Fragranceの最初へ Sweet Fragrance 1 Sweet Fragrance 3 Sweet Fragranceの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前