間接視線 カメラと鏡-1
今日はとても充実した一日を過ごすことが出来た。
薄い鉄板に囲まれただけの観覧車の中で絶景に向かって全開放した股間を弄り回せたし、ジェットコースターで重力の縛めから解放された瞬間に訪れた全身を痺れさせる悦楽…。あれはすごかった。しかも、あのベルトの止め方だとスカートがひらめいて中が見えてしまった瞬間があったかもしれない。あの時私は…ノーパンだった。
さて、ご飯の前に汗を流してすっきりしよう。
このホテルは官民共同で営業されているホテルチェーンの一つで、源泉掛け流しの温泉でも人気がある。リーズナブルな料金で上級のサービスが楽しめるここは、抽選に当たらないと予約が取れない。
浴衣に着替え、部屋を出て屋上の大浴場へ向かった。
途中で乗ったエレベーターには私一人しか乗っていなかった。私一人しか。私、一人。
監視カメラらしきものが天井に取り付けられている。でも、何か事件でも起きなければ、いちいち全部の録画を確認したりはしないだろう。特別にセキュリティを強化しておかなければならない施設なら話は別だが、温泉ホテルのカメラ映像の監視員を常駐させるとも思えない。
いけるか。いや、いけるかじゃなく、私の手はすでに浴衣の胸元に入っている。半袖シャツの布の感触が指先に触れた。ブラはしていない。
しばらく胸の膨らみを撫でさすっていると、先端がツンと尖り、コリコリに固くなってしまった。
私はそれを爪で引っ掻いた。
「んふぅ…。」
思わず声が漏れた。でもここは密室だ。構わない。
私は自分が漏らした悦びの声に刺激されてガマン出来なくなり、浴衣の裾の合わせ目を少し横に捲ってパンティの上から敏感な部分をギュっと摘まんだ。
「あはぁ…。」
私の欲情はますます高まっていった。
弄る、感じる、声が出る、それに煽られてまた弄る…。
悦楽のループ。
『屋上です』
もうひとつねり。
『ドアが開きます』
おっとっと。
「わー!」
「きゃー!」
「待ちなさい!降りる人が先よ。どうもすみません…。」
小さな男の子と女の子を連れた家族四人組が、私と入れ替わりにエレベーターに乗り込んできた。
「いえいえ。元気があっていいじゃないですか。ねえ君たち、エレベーターの中は他に誰もいないから、何しても大丈夫だよ。」
「やったー!何するー?」
「人がいると出来ないことー!」
父親が苦笑いしながら会釈して最後に乗り、私の後ろでドアが閉まった。