とどけ!おいしいケーキ-3
『『『アリアリアリアリ〜〜♪』』』
すっかり勝ちほこったアリさんたちは、高らかに笑い声を上げました。
『よくもワレワレのジャマをしてくれたな』
右腕をおさえたアリさんがささやきます。
『このまちのケーキをすべて集めて、ワレワレの女王"クイーンアントラー"様にさしあげる作戦が、お前のせいでだいなしだ』
左腕をつかんだアリさんも、くやしそうに言いました。
お腹が空いてエナジーが足りなくなったあたしは、いつものパワーが出せず、アリさんたちをふりほどくこともできず、もがくのがせいいっぱいです。
『たっぷりとおかえししてから、そこのケーキといっしょに女王様にプレゼントしてやるからカクゴしろよ?』
拾い上げたムチをもてあそびながら、3匹めのアリさんがゆっくりと、あたしに近づいてきます。
『お前が子分どもにしたのと同じことを、お前にもしてやろう!!』
ピシィッ!!
ピンクのムチがひらめいて、ようしゃなくあたしに打ち下ろされました。
「いやぁッ!?」
エナジーが足りなくてやわらかくなっていた紅いビキニブラは、いつもならこんな程度の攻撃なんか無キズで防いでくれるのですが、かんたんに真ん中で裂けてしまいました。
あたしのおっぱいを守っていた締め付けがゆるんで、冬の冷気がすき間から忍び込んできます。
かろうじておっぱいのてっぺんをおおっているだけのブラの残骸にアリさんたちの視線が集中してきて、その恥ずかしさと寒さとで、あたしの胸元の毛穴がぷつぷつと鳥肌を浮かべました。
『まだまだ、続けていくぞっ、ソレッ!!』
パシィッ!!
またしてもムチが振りおろされ、タンポポの綿毛のようにスカートが千切れ飛びます。
すでに溶けてあいていたスカートの穴が、さらに広がって、たてに大きく裂けてしまいました。
その裂け目のすき間から、ムチ打たれた跡をうっすら浮かべたあたしの素脚と、その付け根を守る、まるでワタガシのような純白の下着がふんわりと顔を出しています。
3匹の目線が、胸元から腰の辺りに舐め下ろすように移動してきて、背筋がゾッと寒くなりました。
思わず両ヒザをモジモジと閉じようとしますが、裂けたスカートはひらいたままで、あたしの恥ずかしいところはかくれてくれません。
『いい格好になってきたな、コムスメ』
ムチの柄をあたしのアゴの先にもぐり込ませると、そむけていた顔をグッと上げさせられました。
『・・・ワレワレを苦しめる不思議なチカラを使うニンゲン、お前はいったいナニモノだ!?』
うつむこうとするあたしの顔をあげさせたまま、アリさんが顔をのぞき込んできます。
『・・・女王様に聞いたことがあるぞ?……ワレワレ、アントラーズを妨害する、魔法を使うパティシエの女が何処かにいると』
このアリさんたちは、あたしたち一家のことをなにか知っているのでしょうか?
女王様っていったいナニモノ!?
『それがこのコムスメだと?』
『それはわからぬ……が、女王様のもとへ連れてゆけば、あのお方のことだ。なにかご存じに違いなかろう』
『違いない』
『違いないな』
色々なことが謎だらけで混乱しちゃってるあたしをよそに、3匹は顔を見合わせるとまた、こちらを見つめました。