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オメガ3
【SF 官能小説】

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秘法-1

学校の三年生は卒業前で皆 リラックスしている、受験の奴らは必死で勉強してるが。
おなじ陸上部の羽淵がニコニコ笑いながら近づいてきた。
「吉見、今日よ、俺の家に寄って行けよ、どうせ隙だろ。」
「ああ、いいよ、おじゃまするわ。」
羽淵は陸上競技の推薦で大学は決まっているから隙そうだ、短距離の素質は有るのだが、練習嫌いだから成績は県大会止まりだ。

羽淵の家に行っても、どうせゲームをするだけだが、時間が有り余ってる、部活をしない生活がこんなに自堕落とは 思わなかった。今一番燃えるのは体育の時間だ、ほとんど、サッカーかソフトボールの球技ばかりで教師も見てるだけだ、たばこを吸ってる奴らも自分の身体への罪悪感からか、必死でボールを追いかけて 汗をかいている。
「ゼェゼェ、ハァハァ、これで少しはニコチン身体から抜けたかなぁ。」
「抜けるわけないやん、たばこ やめた方がいいけどね。」
「止めたいけどなぁつい手がのびてしまう。」
痰をはいたり 爪が黄色くなったり 見た目が爺くさい。
未成年でタバコを吸っている罪悪感はほとんどない。
同級生がバイトをしているコンビニで買ってるみたいだ。
放課後、二人は羽淵の家に向かった。
「今日はな 面白い事教えてやるよ、へへへ。」
羽淵の家は古い家と言うより、古民家だ、インテリアはモダンな作りだ。
「最近母親が骨董屋で買った本が、昔の陰陽師のマニュアルというか教本のようなものだった、それを訳したのを、見てたら、けっこう面白くてな。」
嬉しそうに話してる、早く核心の話をしたいようだ。
「その中の、相手の心を読む呪いというか お札が有るんだ、母親は 信じて無いみたいだが、俺は試したんだよ。」
「まさか、俺の心も読めるとか?それはないよなぁ、嘘っぽいなあ。」
「へへへ、はっきりとは分からないが、イメージというか ぼんやりと伝わってくるぜ、お前の頭の中は隣のおばさんで、いっぱいだな。お前熟女が好きなの?ケケケッ!」
「ええ?そ、それは、ほんとに〜、ほんとに見えるの?確かに隣のおばさんは気になる存在だけど。誰にも言ってないし。本当にわかるのか?なんか怖いなぁ。」
羽淵は得意気に笑っている。
「これって、凄くない?色々使えそうだろ、誰にもないしょだぞ。」
「凄いけど、人生変わってしまうよ。」
「そうだ、これから面白くなっていくと思うぜ、ただ無制限に出来ないんだ。集中が続かないからな。」
「そ、そうなのか?それは俺にもできるのか?もしできるのなら。早く試したいなぁ、今すぐ出来るのか。」
「まあ慌てるなよ、出来るけど、絶対他のやつにはないしょだぞ、これは二人の秘密だ、卒業したら進路はバラバラになるが、これを使ってにのしあがるんだ、いつか一緒に仕事ができたら面白いとおもわないか。」
「うん、でもそれが世の中に出ないように出来るのか。」
「お母さんは趣味で訳してるだけだ、他にも色々術が有るみたいだが ある程度訳が進んだら俺が預かっておく事にする。お母さんは信じてないから大丈夫だろう。とにかくこの札を絶対に身体からはなすなよ。防水の入れ物に入れておくか、ペンダントに掘るかやってみろ。信用してるからな。ひつこいけどくれぐれも他言無用だぞ」
「ああ、ありがとう、面白くなりそうだが少し怖いなぁ。」
羽淵は何時にもになく真剣な面持ちだ。
「相手と目が合うと より鮮明に分かるが、合わなくても、ぼんやりと分かるようになるから。でもやり過ぎると、かなり疲れるから。」
羽淵には吉見が裏表がなく、猜疑心が無いのが分かっているし、一緒に居て楽しかったから 秘法を教えて、成功して、一緒に遊びたかった。
吉見は家路を急いだ、が家族では試したくなかった。興味もないし 知りたくもない。
羽淵の言う事を100%信じてる訳ではないが、真凛ちゃんのお母さんの事は驚いた、自分でも記憶から消そうと思っているのに、言い当てられてしまった。
余計に満智子さんへの想いは募ってしまう。
そんな事より、陰陽師の呪いを早く試したい。
さっそく、自分の部屋に有るシルバーアクセサリーを見たが、適当なのがない。
母親か姉に聞くしかないのか。
姉は大学3年生だ、アクセサリーぐらい持ってるだろう。
「ハートのならあるけど、あんたがするの。」
「いいからちょっと見せてよ。」
シンプルなハートの平打ちだ。
「これ、いいよ、これ、ちょうだい。」
「えーこれけっこう高かったし気に入っているのに。」
「お礼はするから、ね、お願い。」
「まあ、しょうがないね、いいわ、あげるわ、そのかわり。」
姉がニヤッと笑った、こういう時は何か企んでる。「あんた、美妃と付き合いなさいよ。」
「えーレスリング部の?」
姉の同級生の友達だ2年前から頻繁に家に来て話もしている。ポッチャリタイプだ 確実に65kgはある。
「何時もあんたの事聞かれるのよ、かなり真剣に思ってるみたいよ、デートぐらいしなさいよ。」
「めっちゃ かわいいけど、え〜どうして俺なの〜、年上だしー。」
「あんた年上好きじゃん、隣の満智子さんの事好きなんだろ、でも人妻はダメだろう。」
お姉は意地悪そうな目つきで薄ら笑いをしている。
「あーなんで そんな事いうの、止めてよ。」「ハハハ、ずぼしだね、顔、赤くしてバカじゃないの。」
「えーおばさんも分かってるかなぁ。」
「そりゃ満智子さんが毎朝家から出てくるのを待ってるあんたを見たら、わかるわ、しかも嬉しそうに、挨拶して。」
「あ〜どうしよう、明日から、顔を会わせられないよー。」
「あんた、ホントにバカだね、満智子さんはあんたの事なんか、なーんにも思ってないわ、それより、美妃よ!デートしなさい、それ あげるから。」「いいけど、俺なんか、すぐに嫌になると思うけど。」
「つべこべ言わずに、分かったわね。明後日の土曜日よ。」



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