初めての後輩-4
翌日、無数の星たちがすっかりと静まり返った公園を歩く私たちを見上げる。
「いやー嬉しいなぁーまさか本当に電話してきてくれるなんて、いやー最初は驚いたけどねぇー。」
私は彼、黒崎の真意が知りたく思い切って彼がくれた電話番号に掛け、一言「会って聞きたい事がある。」とこの公園に誘った。
「今学校はどう、部活とかは?」
「弓道部だよ、この前地区大会で優勝した。」
「あは!相変わらずのスポーツ万能ね、へぇー弓道部。」
「うん、中学の時も俺そうだっただろ、お前もバレー部で後輩ビシバシ苛めて。」
「苛めてねーし!…へぇーアンタもだったわね。」
「?……にしてもホント驚いたよまさか同じバイト先何て、ちょっと運命感じるよな。」
「バカねー、何を言ってるのよ、そんな事言って本当は狙ってたんじゃないの?」
「おいおいー相変わらずキツイなぁーそういうところ何も変わってねーな。」
「アンタこそ妙なロマンチスト変わってないわねー、んで?実際どうなの?」
細い目で彼を凝視する、これが本題。すると彼は少し考え込み。
「…そうだよ、巴…お前にもう一度会いたくてそうした、上司に無理言って。」
「え…。」
まさかの返答にお互い言葉を失うも。
「なぁーんて冗談だよ、俺にそんな権限ある訳ないだろー♪」
「アンタ、殴るわよ?それもチョキで!」
「チョキってなんだよ、悪かったよ、でも半分は本気だ。」
「は?」
「確かにお前と再会したのは全く偶然、俺自身諦めてた、お前がバイト先で現れる、その時までは…。」
「黒崎…。」
「その時、中学でお前と別れて以来ずっと奥に締まっていた想いが一気に広がり出してきて…、それで。」
そう語る彼の顔は真剣そのものだった。
「……私に、連絡先までよこしてきたのって。」
「いや、それはそのー、何か困ってたらと。」
「嘘っ!アンタ嘘つく時絶対目が泳ぐもの。」
「うぐぐっ!」
だてに中学の時、彼と交際しちゃーいないさ。
「……あぁそうだよ、最初はどうしょうか迷ったけど、けどこれは神様が俺にくれたチャンスなんじゃないかって、そう思ったら足が勝手に。」
「……それじゃーーっ!?」
彼は突然私の肩を掴み顔をこわばらせ私をじっと見つめ。
「ちょ、黒崎っ!?」
「駄目だ。」
「え…。」
「黒崎、じゃない隼人って言ってくれ、あの時みたいに。」
交際していた頃は下の名前で、けど別れてからは自分なりの気持ちを切り替えようと他人のように関係を断つ為名字に変えて。
「巴。」
「……。」
「好きだ、俺ともう一度付き合ってくれ!」
「っ!!」