家政婦との小旅行-30
対面座位の格好で向き合った侑香は、窮屈なティーシャツを捲り上げて脱ぎ捨てていた。
「やっと脱げた」
「分かったから下も脱ぎなさい」
「面白い人。急に真面目なのね」
胡座で座る僕の前で立ち上がり、長い脚から純白のミニスカートを脚元に落としていた。
「匂い嗅いでも良いよ」
「大人をからかうな。早く下着も脱ぎなさい」
「不思議。さっきまで夢中だったくせに」
侑香は楽しそうだった。
若い声が心を和ませてくれていた。まるいお尻から滑らせたランジェリーを脚の指にあざとく絡ませていた。
「見惚れてたでしょ?」
声を上げて笑ってしまっていた。
大したもんだ。20歳で大人を虜にさせる仕草で振る舞う侑香は、完成されたプロの行動そのものだった。
「ねぇ、ネックレスは着けたままがいいの?」
「いや、外して良い。イヤリングも外した方がいいいか」
「良かった。これ凄く重くて疲れちゃった」
20歳の言葉だった。重くて当たり前だろう。429個のダイヤモンドの価値には触れずに重量感に愚痴る若々しさが嬉しかった。
「危ないからここに置いておくね」
侑香は、さっきまで居た珈琲テーブルに夥しい光を反射させるダイヤモンドの束を置いて笑っていた。
「早くここに来なさい」
「本当に面白い人。わたしの裸には驚かないのね」
「十分美しいよ。抜群のプロポーションだ」
「もっと褒めてよ。わたしハタチなの」
何がハタチなんだよ。心の声は笑っていた。頬を膨らめてベッドに戻った侑香は、対面座位の格好で僕に向き合って静かな呼吸で瞳を覗いていた。
「真面目なキスをしようか」
侑香は瞳を閉じて無防備な唇を許してくれていた。唇に触れた侑香は、頬に涙を流してしまっていた。その理由は理解していた。強烈なフェティズムと高額な貴金属を与えられた20歳の精神は、限界を超えた緊張の連続だった筈だ。官能世界から解放された安堵は、20歳の心を慰める為に涙を流す若い本能の反応だと理解していた。静かに舌を絡める侑香を抱き締めて、恋人のように小さな頭に腕を回してあげていた。
何も言わなくなった侑香は、優しく揉まれる胸に小さな声の本音の吐息を漏らしていた。小さな乳首を口に含んで濡れる陰部に指を添えて確かめてあげていた。
「準備できてるよ」
頬を染めた侑香は、若い液体で濡れた陰部に照れていた。若い吐息を繰り返す侑香は、そっと勃起に指を伸ばして僕の腰に乗り上げていた。
「入れてもいい?」
「好きにしたらいいさ」
頬を染めた侑香は、腰を浮かせて静かな挿入を行っていた。勃起を全て飲み込んだ侑香は、肩に抱きついて腰を振り始めていた。
対面座位でゆっくり腰を動かす侑香は、本物の性行為に熱い吐息で快感に浸かっていた。侑香の好きなようにさせてあげていた。十分頑張った侑香に対しての最低限の感謝だった。
対面座位の侑香は、脚を広げお尻を浮かし勃起に刺さる体勢で僕を見つめていた。目が合った侑香は、亀頭を咥えた陰部に勃起の竿を沈み込ませる座位で激しく上下に尻を沈め始めていた。生々しい温かい体感だった。20歳の液体に飲み込まれた勃起は射精を促すには十分な快感だった。
首元で若い喘ぎ声を漏らす侑香を抱き締めて、射精が近い事を伝えていた。
「良いよ。中に出して」
大胆に尻を振り続ける侑香は、精液を求める締まりで射精に備えて囁いていた。細い腰に両手を回した僕は、大量に溜め込んだ精液を放つ瞬間の達成感に迫られていた。
「凄っごく気持ち良い。良いよ出して」
肩を甘噛みして尻を振り回す体感に、射精の逼迫感を止めることができなかった。夥しい量の精子が、堰を切ったように噴き出して温かい20歳の体内に弾け飛んでいた。精液を吸い込む様に尻を押し付けた侑香は、中出しを理解した体感に顔を仰け反らせて声をあげていた。
「すごい熱い。たくさん中に出てるよ」
侑香は、悶絶の表情で射精感に浸かる僕の瞳を覗き込んでいた。飛び跳ねる精液を塗りこませる様に、侑香はゆっくりと尻を上げて再び竿を飲み込んでいた。
堪らない達成感に満たされていた。
乱れた呼吸が二人を包み込んでいた。侑香を抱き締め、感謝の気持ちを伝えようとしていた。
「すとっぷ。何か言おうとしたでしよ」
侑香は強い目力で男の饒舌を拒んでいた。
流石はプロの女性だった。最後まで貫いたその姿勢に感動の射精感に満たされていた。
文句なしのSEXだった。
「はぁ、気持ち良かった」
侑香は咥え込んだ勃起を抜き出す為に、ゆっくりと尻を持ち上げて呟いていた。僕の肩に手を付いて立ち上がった侑香は、何事も無かったかのように、待たね。と言い残して中出しの裸体でベッドから降りて歩き始めていた。
「俺の方こそ楽しかったよ」
高級ヒールを片手にぶら下げて歩く背中に声を掛けたが、片手を挙げた侑香は何も言わずに隣室に消えてしまっていた。
最後までプロの仕事を貫いた侑香だった。
最上級の振る舞いに豪華ペンションの真骨頂を認めていた。珈琲テーブルに置かれたダイヤモンドの束が、陽光を浴びて圧倒的な光量で大理石に夥しく光を反射させていた。
深く息を吐いた僕は、誰もいない空間に向けて話しかけていた。
「良かったよ。流石だ。迎えに来てくれよ」
誰も居ない空間に向けた声は、何処かで撮影を続けるアスカの元に届いてる筈だった。