つがい-5
「お、思い出を頂戴!」
「思い出?」
「3年も付き合ったのよ。
自分の寿命がないことが分かっていたなら
私と付き合うべきじゃなかった、とは思わないの?」
「・・・すまなかった」
悟は・・・私を愛してくれている。
「最後に抱いて」
ただそれだけが最後の賭けだった。
「でも」
「それぐらい聞いてくれたっていいでしょう?」
想いの限りを尽くして演技をする。
小馬鹿にしたように、小さく鼻で笑って、嫌味を言う。
さとる・・・
私、ちゃんと演技出来てる?
「分かった。脱げよ」
そう言って悟は自分の服を脱ぎ始めた。
私の身体を3年の時間をかけて知り尽くした手はゆっくりと私をなでまわす。
温かいその手を、感じるのは最後なんだろうか。
大きくて少しごつごつした手は
私を愛しく抱きしめる。
「ん・・・っ」
お尻の丸みを堪能するように丸くなでて
その手が優しく秘部に回った。
すでに身体も気持ちも濡れているそこに
悟の中指がグッと入ってきた。
「あ・・・ぁ」
思わず漏れ出るその声に悟が笑って
声さえ聞き逃さないようにキスをした。
その声さえ、俺の中に残ればいいのに―――
小さくつぶやいたその言葉に私は全身が震えた。