朝-2
「ちづちゃん。
夢なんだから、、、
隠さないでよ。 」
「 ぇ、 でも 」
「はい、没収〜〜 」
タクミはちづるから
掛け布団を取り上げて
自分の身体の下に敷いてしまった。
夜明けが近いのか、
部屋はそれほど暗くない。
ちづるはますます
真っ赤になる。
だが、これは夢なんだと思うと
心がどこか安堵している。
優しいタクミの目を見ていると
本音が胸に溢れてくる。
それを伝えたい気持ちで
胸がいっぱいになる。
「タクミ君 〜っ
私と、、結婚するって
〜っ 、、
本気なの? 」
「 ぇ? うん。 」
「 ! 、、でも、、ね?
それは 、、っ タクミ君
若いし
現実が 見えてない所
あると、 、、思う! 」
「 ! 、、、、。
現実 ? 」
「 ! 、 、、 うん 」
ぁ、 。
いま
怒った かも
「、、、。
俺は、ちゃんと現実
見えてるよ?
これから、専門行って働いて。
で。 これから、、先も。
家に帰ってきて
ちづちゃん居ないとか
嫌なんだけど。 」
「、、、それは、、
今、そう思ってくれてるのは
本当に嬉しい、、デス。
〜っ でも ね? 」
「 現実。
見えてないのはどっち? 」
「 ぇ? 」
「俺の事、、
言葉も、、、。
見てないんじゃない?
聞いてくれないよね
いつも 」
「 ! そんな事っ 、、、。」
「ないって言い切れる?
俺が、若いから、、、。
心変わりするだろって
決めつけてない? 」
「 ! 違う、! 〜っ 、、」
違う そうじゃない
だって 私が
私のせいでタクミ君
この年齢じゃ
子供産むのだって
タクミ君は
子供 欲しいって
「 〜っ っ、 っ
ぅ っ 」
「 、、、。 っ はーーー
あのね、、俺だって
、、、 泣きたいよ
信じてもらえないのは 」
「違うっ! 」
「 、 、? 」
「 そうじゃないよ 〜っ
だって、、
考えちゃうんだもん
す、、すぐ
かいご 〜っ って
〜っ っ 」
「 ? 、、? 何 ?」
「私と
結婚なんてしたって、、、
タクミ君、すぐに 〜っ 私を
っ っ
介護っ 〜っ っ
する事に なる 〜っ 」
☆☆☆
タクミは寝ているちづるを
じっと見つめていた。
寝言など普段ちづるは言わない分
もし、言ったのだとしたら
少し興味が沸く。
ちづるを見ていると、
眉間が少しだけ動いた。
「、 、 、 、、、。」
ん ?
顔を近づけて、
鼻と鼻の距離は30センチほどの
至近距離でちづるを見つめる。
唇も少し動いた。
寝ているちづるの表情は
どう見ても悲しそうな顔になり、
今にも涙が出そうだ。
タクミは思わずちづるを
起こそうか考える。
「、 、 、、 」
なんか 泣きそ〜〜
嫌な夢? 見てるのかな
起こしてあげた方が、 、
その時。
ちづるは小さな声で
寝言を言う。
「 〜っ かい こ 」
「 、 、 、、 ? 」
かいこ ?
ん、?
解雇?
、 、 、 、、。
仕事を クビになってる夢か?
タクミは、
嫌な夢をみてるであろうちづるが
可哀想だとは思ったが、
同時に面白くも思ってしまう。
もうしばらく様子を見る事にした。
☆☆☆