予感-4
夕飯が終わると2人は別々に
お風呂に入る。
先にタクミが入り、その後ちづるが
入り終わると、
脱衣所でドライヤーをあてる。
薄いブルーのパジャマを着た
ちづるが、キッチンに戻ると
タクミは隣の部屋のソファーに
座ってぼんやりとテレビを
眺めている。
黒い上下の、
上は半袖の部屋着を着て
ソファーの上で体育座りをして
丸くなっているタクミの隣に
ちづるも座る。
テレビでは、
大家族スペシャル!と
画面の右上にタイトルが
書いてある。
4歳ぐらいの女の子が
兄弟喧嘩をして大泣きしている。
2人はしばらくテレビを
観ていた。
タクミが言う。
「 子供。
ほしーなぁ〜〜 」
「、 、 ぇ? 」
「ちづちゃんは?」
「 、 、、 、 」
ん ?
え?
子供 ?
、 、、って 、!
「 っ 私? は、、
ぁはっ、、 ぇ だって、、
もう、、結婚も、、、
今は 考えてないから 」
「、 、、、。俺は、欲しい。」
「 ぇ、 、、 と っ
うん、、。
そう なんだ 」
「、 、 、 、、、。 」
「 、 、 、、っ 、 」
タクミが
じっとちづるを見つめている。
ちづるからの言葉を
待っているようだった。
ちづるは焦りながら
作り笑いをして言葉を探す。
「 ぇ、、 と、、 ん、ぅん、
タクミ君は、、、、。 」
「、、 、 、俺は? 」
「、、優しいパパに
なりそうだよね。」
「 、 ! 、 、 、、」
あ。
今、
、 、 、、。
いなかった
「 、 、、 俺? そーぉ? 」
「 ん、、うん、、
そんな感じ 」
「、、、、そっ かな、、。」
なんで こんなに
ちづちゃんの事
分かるんだろう
いなかった
今、 、。
『優しいパパ』の隣に
ちづちゃん
いなかった
「、 、 、 、、、。」
「 ぁ、 そろそろ寝よっか?
タクミ君は?
明日も早いんでしょ? 」
「 ん? 、、、うん、
ぁ。 でも
先に寝てていーよ? 」
「、、そぉ? ん。
じゃあ、、、おやすみなさい。」
「、、、、ぅん。 」
ちづるはソファーから
立ち上がりタクミの部屋へ向かった。
タクミはしばらくぼんやりと、
テレビを見続けていた。