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女王と俺の奇妙な日々
【ファンタジー 官能小説】

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闖入-1

睡眠薬を飲んで眠ったはずだった。
俺は、森の中にいた。周りの草木が見慣れなかった。空気も違う。知らない土地にいるようだった。
夢だろうか。寝る前、どんな服を着ていたろう。ジャージのまま、酔って布団に入らなかっただろうか。思い出せなかったが、着ているのはいつものジャージだ。
手の甲に傷があった。寝る前にはなかったはずだ。どこかの葉で切ったに違いない。痛みもあれば、草も木も確かな触り心地だ。いつからここに俺はいるのだろう。靴を履いていなかった。
見上げれば、木々のあいだに覗く空が濃く青い。渡る雲は真っ白だ。初夏の暑さだった。晩秋の肌寒さを思い出して、俺は汗をかいた。
とにかく、森を出たい。そう思い、一歩まえに足を進めた途端、世界が回転した。脚を掬われて倒れたとき、背中を地面にひどく打った。
「Viro! Viro! 」(男だ、男だ)
騒ぐ声と共に女が三人現れた。俺は縄に片脚を縛られ、空中に吊り下がっていた。女の二人は手に槍を持っている。薙刀に似ていた。しかし女は日本人ではなかった。
「Vi ne apartenas al nia gento, ĉu ? De kie vi venis en nian landon?」
(お前は我々の民族ではないな。どこから我々の土地に入ってきた?)
先方も俺のことを同類とは思わなかったようで、随分と若い真ん中の女がそう言った。みな、脛当て、小手当てに兜をしている。この言葉は聞いたことがあった。エスペラントだ。高校生の頃、好きでいろいろ語学をしていたのが幸いした。
「Tio ankaŭ estas mia demando! Malsuprenigu min ! 」
(それはこっちの質問だ。降ろせ)
そのまま言葉の通じたことが若干意外だったらしい。女たちが顔を見合わせた後で俺はゆっくり降ろされた。槍は突き付けたまま、女は俺の足の縄を解いた。
「Ĉu vi efektive estas viro? 」
(本当に男なのか)
「Kompreneble. Kial ne? 」
(当然だ。どこがおかしい)
「Ĉar mi neniam vidis unu. Kaj ĉu vi konas virinon? 」
(見たことがないからな。女は知っているのか)
「Mi ne komprenas, kial vi demandas. 」
(質問の訳がわからない)
真ん中の一番若い女は茶色い瞳で俺の顔を見つめたが、緊張した面持ちに、意を決した色が見えたとき女は叫んだ。
「Tenu lian korpon! 」
(捕まえておけ)
女二人に俺は両側から腕を掴まれた。何か独特の捕まえかたなのだろう。関節を固められて動けなかった。すると若い女が俺の前に立ち、両手で俺のズボンを掴み下ろした。
女たちの息を呑む音が聞こえた。三人とも視線を俺の腰から離せずにいた。
前にいる若い女が、慎重に手を伸ばしてきて、下から持ち上げた。手の震えが直に伝わってきた。
「Du pilkoj en unu sako.」
(袋が一つ、中に玉が二つ)
中身を細かく探りながら、激しく動揺している様子だった。強く握られた。
「Tie doloras...」
(痛いぞ)
聞くと女は不意に手を離したが、もう一度指先を、今度は先端のほうへ当てて、押し揉みした。
「Tio fariĝos malmola, ĉu ne? 」
(これが硬くなるのだろう)
硬さを根本まで確かめながら、ほかの女に尋ねた女は声が上ずっていた。大きくなっていく俺を手の中に感じたらしい女は、いけないことを隠す子供のように俺のズボンを引き上げた。そして言った。
「Vi venu kun mi kaj vi ambaŭ restu ĉi tie! 」
(お前は私と来い。二人はここに残れ)
けれども俺は裸足が痛かったので、ズボンとジャージを脱いで足に巻きつけた。それから半裸の格好で女に付いていった。


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