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スイッチ、オン 〜 The actress on through the lens
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第九章の2 何をしてもいい-2

 「ね、もう少し足を開いてお尻を上げてくれませんか。角度がちょっと。」
 彼女は俺に言われた通りにした。
 「こう、ですかー?」
 「はい、それでいいですよ。では。」
 俺は先端をそこにあてがい、そーっと埋めていった。
 「どうしたんですか?そんなに優しく。」
 「え、だっていつもこんなふうに穏やかにしてくれるから…。」
 「だって、患者さんですからー。丁寧にしないと叱られますよー。でも、今の私はされる方なんですから、好き放題に突きまくっていいんです。私は看護師で、あなたは患者さんなんですから、何してもいいんですよー。」
 「ど、どんな理屈なんですか。」
 「私、何か間違ってますかー?」
 前提から間違ってる気もするが、まあいいか。今度は強めに突き込んだ。
 「あう…。そ、そうですよ、ブッ壊すつもりで、もっと、もっと…もっと乱暴に突きまくってー!」
いつも穏やかでおっとりしているミヤタ看護師が、乱れ始めた。
 「ああ、いいとも。覚悟しろ、なんて言わないぞ。そんなことしても無駄だからな。」
 俺はミヤタ看護師の腰が砕けるほど容赦なくブチ込み続けた。
 「あ、あ、あ、あーーー!すごい、すごい、すごいーーー!」
 その度に彼女は何の抑制も効いていない悦びの声をあげる。それはもう、叫びと言っていいレベルだ。ベッドの上に伸ばした手はキツくシーツを握り締めている。
 「どうだ、どうだ、こうもしてやるぞ、こいういうのはどうだ、壊れろ、壊してやる!」
 「ああ、そうよ、そうよ、壊して、私なんか、破壊してーーー!」
 ミヤタ看護師の中が蠢動を始めた。もう限界まで高まっている。
 「おりゃー!」
 最大の一撃を叩きつけ、容赦のない濁流を流し込んだ。
 「あうーーー…。」
 彼女は上体を反り返らせ、小刻みに震えながら静止した。俺は後ろから抱き締め、ゆっくりとベッドに降ろしてやった。その時、後ろから声が聞こえた。
 「うん、もう大丈夫ね。退院していいよ。」
 「ハルミさん!見てたんですか?」
 「当然でしょ、主治医なんだから。回復具合確認しなきゃ。」
 「な…僕はまだいいとして、ミヤタさんを巻き込むなんて。」
 「あ、大丈夫です、いつものお仕事ですからー。」
 「お仕事…。」
 「手っ取り早くて確実なのよ。心身ともに充実してないと、イイ仕事出来ないでしょ。」
 「確かに。イイ子作りが…ああー!」
 「どうしたの?」
 「着けるの、忘れてた…。」
 「ご心配無く。対策済みで臨みましたからー。」
 「プロだ…。」
 「当たり前でしょ。看護師免許、簡単にはとれないのよ。」
 看護師の仕事ではないと思うんだが。
 「あの…。」
 「はい、どうしました?ミヤタさん。」
 「退院したら個人的にお付き合い、というお話、まだ有効でしょうか?」
 お、同意してくれるのかな。
 「もちろんですよ、ミヤタさん。」
 「うわあ、嬉しい!そう言ってもらえると思って、ホントは何の対策もしないで中で出してもらったんですよー。」
 「ええー!」
 「あ、あなたね…。」
 「だって、お付き合いする、ってことは結婚するわけでしょ?早く子供が欲しいじゃないですかー。」
 「あららー。キミ、やっちゃったね。どうする?命中してたら。」
 「無理ですよ、知ってるでしょ?しがないバイトですよ。家庭を持つなんて想像も出来ませんよ。」
 「大丈夫ですよ、看護師って、給料悪くないんですよー。ねえ、先生。」
 「うーん、まあ同世代の女の子たちに比べれば、かなり多いと言えるかもね。いいんじゃない。」
 「ちょちょっとお、ハルミさんまで。」
 「イヤなんですかー、私じゃ…ひどーい、あんなに乱暴にしておいてー。」
 「しろって言ったじゃないですか。」
 「あら、女の子に責任なすりつけるの?」
 「いや、あの、えー。」
 俺はもうグッタリしてしまった。
 「あはははは!」
 「どしたの、ミヤタさん!落ち着いて。鎮静剤打つ?」
 「違いますよー、こういう展開も面白いかなーっていうシミュレーションですー。」
 「…。」
 「…。」
 「あれ、お二人ともどうされましたー?」
 「どう、って。この子、本気で悩んでたよ、今。」
 「あは、それだけリアルだったということですねー!」
 「知らなったわ、こんなに恐ろしい娘だったなんて。」
 「褒め言葉として受け取っておきますー。」
 「私、降参。」
 「ねえ、ミヤタさん。」
 「あ、お付き合い…」
 「前言撤回でお断りしてもいいですか。」
 「え…なぜですかー?」
 「あなたのこういうのにいちいちまともに付き合ってたら身が持ちませんよ。」
 「大丈夫ですよー。お加減の悪いときは、いつでも当院でお待ちしておりますー。」


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