ン-2
片方の眉毛を引き上げて
「何?」
と試すように私に聞く。
「大人のオフィスラブがしたいんですってば」
「だから、高橋サンには無理だよ」
私の髪をなでながら
テレビの消えた静かな部屋で、私たちの声だけがお互いの耳に聞こえる。
「無理じゃないと思います」
「知らない男にのこのこついて来るのに?
大人の女はもっと警戒心がある」
「・・・・」
「知らない男について来るのは子供だけだよ。お嬢ちゃん」
髪をなでていた手が、頬に移り、さっき気持ちのいいキスをした唇に移った。
安達さんと私、いくつ離れてるんだっけ・・・?
そう考えながら、私は唇を開いて安達さんにキスをする。
舌を安達さんの口内にゆっくりとねじ込んで
安達さんの舌を探し出す。
絡ませて絡ませて、むさぼった。
緩められていたネクタイを外して
ボタンを1つずつ外して行く。
その中に手を入れて、裸の胸をゆっくりと堪能した。
唇を離して、視線を合わせれば
恥ずかしくて、気持ちが良くて、息の上がった私とは裏腹に
冷静に私の目を射抜く安達さんがいる。
私は、私だけ興奮している事に恥ずかしくなって
再びキスをする。