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5センチの景色
【女性向け 官能小説】

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なぜか?
二人で並んで深夜番組を見ながら缶ビールを飲んでいる。

これって、大人の恋???

安達さんは上着を脱いでネクタイを緩めた。
1番上のボタンを外して、Yシャツの手首のボタンを外す。

そんな仕草に、カッコいいと思ってしまう。
今までの学生時代の彼はスーツ姿なんか見たことなかったから。

さりげなくソファーの背もたれに伸ばした手は
いつの間にか私の肩を抱いていた。

「あのぉぉ〜」
「ん?」
「エッチしないんですか?」

こんなことは、自分から男性に聞いたことは初めてで
おおよそ『大人の恋』とはかけ離れていると自分でも思う。

大人の女性はこんなこと口に出さないんだろう。

私の言葉に安達さんは一瞬キョトンとして。
本当に可笑しそうに笑いだした。

「大人の恋はセックス抜きじゃ始まらないけど。
そういう意味でも・・・高橋サンに大人の恋はまだ早い」
「・・・・」

「エレベーターの中のキスぐらいで立ってられなかっただろう」

だって。あんなキス初めてだし。

「どうしてもおふぃすらぶがしたいなら同期の男と
会社の愚痴を言い合うぐらいのおふぃすらぶでもしてろ」

安達さんは笑いながら手持ちのビールを飲み干した。

「今日は泊めてやるから、大人しく寝ろ。ベッドで寝ていいから」

「・・・・」
「あんまり大人を遊びに巻き込むんじゃないぞ」

テレビを消してソファから立ち上がろうとした安達さんをソファに引き戻して
安達さんのひざの上に向かい合って座った。




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