第0章 女刑事コンビ-6
「ヤバかったぁ…」
華英は自分の体を洗いながら言った。
「華英が変な事始めるからでしょ!?」
「まんざらでもなかったじゃん。」
華英は胸、手、脚、股間を洗いながら言った。
(あ…、アソコ洗ってないし…)
と言うかまともに体を洗っていなかった。1日ぐらいいいかと思ったが、華英が体を洗い終えると、どうぞと言ってくれたので湯船から出て体を洗う。代わりに湯船に入った華英は鼻歌混じりにお湯を体に擦り付けるようにしていた。
体を洗い終えたマギーは湯船に入る。華英の体に微妙に触れドキッとした。華英は余裕だ。そんな華英がふと言った。
「私、一人っ子でしょ?だからオネーチャンと一緒にお風呂とか入ってみたかったんだー。子供の頃から。きっと女姉妹だったら大人になっても一緒に入るんだろうなーとか。」
「…、意外にも可愛らしい事言うのね?」
「な、何よっ!?」
揶揄われたようでムキになってしまう。そんな華英にニコッと笑いながらマギーは言った。
「私も弟しかいなかったから、ずっと女のオネーチャンか妹欲しかったんだよねー。華英みたいに生意気じゃなくて優しいオネーチャンとか、妹とか、ね♪」
「悪かったわねー、生意気でっ!」
「アハっ!」
その笑顔に華英はドキッとした。こんなナチュラルなマギーの笑顔を見るのは初めてだったからだ。普段、さほど笑顔は見せないマギーだが、そんなマギーが自分に笑顔を見せてくれた事が嬉しかった。
間も無く一緒に風呂を上がり体を拭き二階の華英の部屋に戻った。まずマギーが髪を乾かし、続いて華英が髪を乾かした。
「マギーさぁ、杉山さんとは上手くいってるの??」
マギーには東京の萬岸署に杉山崇志と言う彼氏がいる。以前若菜と一緒に東京に行った時に会った事がある。まだマギーと付き合い始める前であった。こまめにLINEをしているのはよく見かける。
「上手くいってるよ?ただあんまり会えないけど…」
お互い休みがなかなか合わず、月に2回会えればいい方だった。
「遠距離だもんねー。でも若菜さん言ってたよ?杉山さん、浮気もせずにマギー一筋だって。」
「信じてるから。杉山君、浮気するような人じゃないって。私の事いつも考えてくれるし、優しいし。杉山君、私だけを愛してくれてるって凄く感じる。」
恥ずかしくてなかなか人に言えないおのろけをサラッと言えるあたりはやっぱ外人の血が入ってるんだなーと思った華英。
「いい彼氏なんだね♪」
「うん。最高の彼氏…。」
そう言ったマギーを見て華英はジェラシーを感じてしまうほどに女らしい姿に思えた。
(意外と乙女なんだねー!フフフ♪)
普段のマギーからは想像も出来ないぐらいの可愛らしい姿に華英はホッコリしてしまった。