第0章 女刑事コンビ-4
今日は朝、マギーに乗せて来て貰った。華英はマギーの助手席に乗りマギーの運転で帰った。
「マギー、泊まってきなよ。もう遅いし。」
「でもこの間も泊まらせて貰ったばっかだし。」
「気にしないでよ。お母さんもマギーが来ると嬉しそうだしさー。」
「迷惑じゃないかなー。」
「今更何を遠慮してんのよっ♪泊まってきなよ?」
「うーん、じゃあそうしようかな…。」
1週間に1回は華英の家に泊まっている。一人暮らしのマギーは意外に寂しがりやだ。料理も苦手で面倒臭い。かと言ってコンビニ弁当も飽きた。華英の家に泊まると家族感を感じられて心が落ち着く。迷惑かなと思いながらもついついいつも言葉に甘えてしまう。
とは言えもう少しで朝方だ。三島家の電気は消えており、車を停めソーッと家に入り、忍び足で華英の部屋に入る。
「先にシャワー浴びてきなよ。」
「うん。」
三島家にはマギー専用のバスタオルが用意されているぐらいだ。三島家がマギーをいつでも歓迎している証拠である。マギーは華英の家族を起こさぬよう、静かに浴室に入りメイクを落とし着衣を脱いだ。
お湯はちゃんと保温状態にされており、湯船につかると気持ち良くなった。一人暮らしの為、面倒でいつもシャワーだけで済ませているマギーにとっては自分のアパートよりも全然落ち着ける。この事も華英の家にお邪魔すると家庭の温かさが感じられる理由の一つだ。それは風呂の湯よりも心地よく、そして温かく感じるのであった。
人の家に深夜にお邪魔して髪まで洗うのも図々しいかと思うが、マギーは毎日髪を洗っている。1日でも洗わないと落ち着かないのだ。マギーは恐れ多いなとは思いながらもシャンプーを手に取り髪を洗う。髪を洗い長い前髪をかき上げ鏡で自分の顔を見つめる。
(マギー、綺麗だぞ!まだまだ若いよ!)
いつも自分を励ます。周りからは30歳に見えないとか褒められるが、肌の衰えをいつも気にしてしまう。スキンケアには人一倍手をかけているが、人に知れるのは恥ずかしい。華英の家で気合いが入っている所は見せる訳にはいかなかった。
その時いきなり浴室のドアが開いた。
「えっ!?」
もし華英の父だったら恥ずかしい。マギーが目を見開いて視線を向けると、そこには華英がいた。
「時短時短!私も入っちゃう♪」
すでに素っ裸だ。恥ずかしがる様子も全くない。逆にマギーが恥ずかしくなってしまう程に堂々としている。それもそのはずだ。見事なプロポーションだ。今すぐにでも巻頭グラビアを飾れそうな程の体をしている華英。女が見てもドキッとする。
「な、何よ、いきなり…」
「別にいいじゃん♪…、オーッ!マギー、ナイスバディだね、やっぱ♪」
女らしからぬいやらしい顔をしてマギーの体を見ていた。
「あ、あんまり見ないでよっ!?」
思わず胸元を隠してしまうマギーであった。