特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.0-2
後ろから勢い良く雄芯を叩き付ける。
一番最奥の扉をこじ開ける様に、相手が痛がっているなど気にもせず。
ただ貪欲に、精を吐き出す為だけに腰を叩き付ける。
ダッチワイフ的な扱いに、女子生徒は先ほどまでの幸せを、幻だったとしか思えない。
「は、っは…」
荒い息しか聞こえない。
快感の声すら与えてくれないのだ。
紅く、うねる体内に雄芯を打ち込む。ただそれだけの「作業」としか彼は認識して居ない。
彼をその気にさせる狂う様な深い性欲が、今この時点にはカケラ程も無い様だ。
「………ッ」
最奥にねじ込んだ雄芯が制止する。
繰り返される抽挿に意識しなくても終わりは来るのだ。
ドクンドクン…と飛び上がる心臓を押さえ付け、大河内は静かに達すべき所に達し、薄い保護膜に精を吐き出した。
「せんせ?」
着替えを終えた女子生徒は、頬を紅くして大河内を見詰める。
「もうすぐ期末だよな」
煙草の紫煙をくゆらせて大河内が呟いた。
「はい」
折り目正しく返事を返す女子生徒に、犬歯を覗かせてニヤつく大河内が視線を送る。
「ゲーム、を、考えたんだ」
くくくくっ…っははははは…
笑いが止まらない大河内を、女子生徒は不思議そうに見詰める。
彼女はまだ知らない。
これから彼の性欲を満たす為のゲームが開始されようとしている事を――――。
N高等学校3年5組。別名「特進クラス」は進学を希望する生徒のみを集めたクラスである。
生徒数は40人。それぞれ文系と理系に別れて授業を受ける。共通の授業も中にはあるが、大体どちらかの科が教室を移動して授業に臨むのだ。
授業の内容は理系なら、数学が2種類。その他には化学・物理・生物などが通常の五教科に加わっている。しかも芸術や家庭科や体育、と普通校と同じ様な科目を修得するのだ。
…つまり、一日が七時限目まで有るのは普通。学校一忙しいクラスなのである。
「おい、草野。次は化学だっけ?」
「おうよ。化学室だぜ。早く行かなきゃ間に合わないって」
乱雑に押し込まれた机の引出しから、教科書等を引っ張りだして手慣れた様子で教室を後にする。その後ろには同じ様に教科書を手にした数名の男女。適当に会話をしながら渡り廊下を通り、対面する校舎の東端に位置する化学室に向かう。
その数、15名。若干、文系より少ない特進クラス・理系の生徒だ。
「英語の期末の範囲、広過ぎだよな」
「しかも栗原の奴、終了のチャイムが鳴ってから範囲を言うんだもん。超最悪ッ」
化学室に入って早々、自分勝手に椅子を下ろしてテーブルを囲む。
化学室は、一つのテーブルに実験用ガスが引いて有り、水道は前後に二つ。三人ずつ向かい合って座る、六人掛け。このテーブルが、教員用と合わせて九台設置して有る。