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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.0-3

人数が少ない理系は大体が銘々に座りたい席に着き授業を受ける。だから男女適当に並んでも構わない。
水城 飛鳥(ミズキ アスカ)はいつもと同じ様に、仲の良い男友達の草野 雄一(クサノ ユウイチ)と日立 光久(ヒタチ ミツヒサ)と三人で同じテーブルを囲んでいた。
「っつーか俺、寝てたから後で範囲教えてくれよ」
「あー、日立は机に突っ伏して爆睡してたもんね」
「だって栗原の声、念仏並みなんだぜ?寝るっつーの」
げらげら笑いながらノートのおねだりをしているのは日立。坊主頭で特進クラスなのに野球部の部長を務めている。
日焼けした身体に、白い歯が印象的なやんちゃ坊主だ。
「じゃ、なんかおごってよ。あたしレモンティーがいいな」
シャーペンをクルクル動かしながら、八重歯を見せているのは水城。ショートカットで男勝りな野球部のマネージャーだ。
女子の中で一番日焼けしていて、スカートから伸びる脚は小麦色。健康的な女の子だ。
「じゃあ俺も範囲教えてやるから、コーラな」
対面に座り、ジュースに便乗して来たのは草野。何でも出来るが飽きっぽい性格の為、帰宅部で日々アルバイトに励んでいる。
外見は前髪が長く、ツヤ有りのワックスでスタイリングしている。ちょっと格好つけた野郎だ。
「なんだよ二人してー。俺が金無いの知ってるくせに」
「エロ本なんか買う余裕があるんだろ?日立、ジュースぐらい大した事ねぇだろ」
「そーだ、そーだ!観念しろぉ!」
こう見ると…案外、特進と言ってもピリピリした雰囲気は無い。至って普通。それがこのクラスの良い所であり、悪い所でもあったりする。

「悪い、遅くなった」

化学室のドアを開けて入って来たのは、化学担当の大河内だった。授業では、よれたスーツの上に白衣を着ている。

「今日は二週間後に控えた、期末考査について説明する」
教壇に着いて早々、持って来た準備物を教卓に置きながら語り出した。
15名に緊張が走る。大半は急いでノートを広げ、メモの準備に慌てている。
「ええっと、前回の中間は思ったより成績が良かったからな。今回も似た様にしたいと思う」
前回のテストと言うのは、大河内が事前に教科書の中から5種類問題を出し、その答えを探し出して文章化したレポートを提出すると言う事だ。
提出するだけだから、実際の試験時間は寝てるか別の教科のテスト勉強をするかは自由。もちろん先生は採点も必要ないので楽チン…。
大河内が言うには、大学だとこう言う試験もよくあるらしい。

…それてしまった話を戻そう。

「今回は実験だ」

白いチョークを黒板に滑らせる。小気味良い音をたてながら《期末考査の課題》と書いた。
「今回は一人一人に課題を出した。15人、全員がバラバラだ。協力しても構わないが、レポートには協力した奴の名前も書くこと」
言いながら、カッカッとチョークの音を響かせる。

《期末考査の課題》
?レポートを作り、試験日までに提出する事
?提出出来なければ赤点
?協力は理系同士で。協力した奴の名前も「準備」に書いておく


・課題
・準備
・実験
・考察
・結果
・感想


「なんだ。いつもの実験レポートと同じじゃん」
「先生、ラクしすぎ」
前のテーブルに陣取った、今井 洋平(イマイ ヨウヘイ)と太刀川 英一(タチカワ エイイチ)が野次を飛ばす。二人ともサッカー部で勉強よりスポーツが得意なタイプだ。
浅黒い肌に栗色の短髪。校則違反スレスレの不良っぽいのは今井。対して小麦色の肌に肩に掛かるくらいの長髪。甘いマスクが太刀川だ。
ちょっとあやしい、なんて一部の女子から噂されている仲良し二人組だ。


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