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調教学園寮夜話
【学園物 官能小説】

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第15話『水没シーソー』-1

第15話 『水没シーソー』



 寮対抗球技大会を控え、原案が完成したところで、審判役が決まった【A1番】と【A4番】は、寮監室に赴いた。 球技大会は3つの寮が合同で行う小さくないイベントであり、9号教官にはCグループ戦の『転がしドッジボール』を主審してもらったり、最後の『水球』の副審を務めてもらったり、学園施設での練習許可を取って貰ったり、各備品の使用を認めて貰ったりと、依頼事項がいくつもある。 寮関係の行事である以上、何事につけても事前相談が基本であり、寮監に対して事後承諾は有り得ない。

 寮監は【A4番】が提出した球技大会の原案を一瞥すると、物憂げな視線で2人を見上げる。 寮監の瞳は、

『……で、これで勝てるのかしら?』

 と、言葉より雄弁に語っていた。 所詮寮同士の対抗戦、学園的な特別な意味――例えば進級に関わるとか、成績に関わる等――は全くない。 けれども寮監という立場もあって、無関心なわけではない。 

「もちろん、今年こそ優勝し、学園旗を受け取ってまいりますわ。 ご期待には応えさせていただきます」

 即答する【A4番】。 本心がどうであれ、躊躇っていい場面とそうでない場面は存在する。 ここで『全力を尽くします』などと言葉を濁そうものなら、気合が足りない、覚悟が出来ていない等々、難癖をつけられて終了だ。 そこは【A1番】も心得ていて、

「絶対に他寮に遅れはとりません。 必ず優勝します」

 言い淀むことなくキッパリと断言する。 仮に優勝しなかったとして、事前に優勝を宣言していようがいまいが、どのみち指導が待っているんだから、言い切った方が得というものだ。 

「頼もしいですねぇ……。 まあ、審判も準備も毎年恒例だし、私にしても、手伝う部分は手伝いましょう。 来週の月曜から土曜まで、寮での練習も認めます。 やるからにはしっかり準備して臨むように」

 パタン。 要領を閉じた寮監に、

「「ありがとうございます」」

 2人は揃って頭を下げた。

「それはそれとして――」

 寮監の語尾が僅かに伸びる。 寮監特有の、懲罰的な言動の兆しだ。 Aグループ生が寮監室を訪れる場合、どんな用件であったにせよ、M奴隷としての調教を寮監に依頼するという暗黙のルールがある。 既に調教に慣れている【A4番】にしても、久々な【A1番】にしても、自然体でお辞儀をしているようで、僅かに身体を強張らせており、緊張がないといえば嘘になろう。

「せっかく来てくれたんです。 球技大会への意気込みも兼ねて、それなり覚悟、まずは先輩からみせてくださいな」

 ニッコリと満面の笑みを浮かべる寮監に対し、

「なんなりと仰せつけくださいませ。 どうぞ締まりのないメスまんこに、厳しいご指導をお願い致します」

「いつも拡げっぱなしのオマンコで申し訳ありません。 球技大会へ向けて、あたし達の締まりの足らないオマンコに、どうか気合を入れください」

 顔をあげ、口を真一文字に結んだ2人がそれぞれ応じた。 こうした寮監による調教が不定期にあるため、寮監を頂点とする寮内ヒエラルキーは揺るがない。 Cグループ生はBグループ生に、Bグループ生はAグループ生に、そしてAグループ生は寮監に厳しく管理される――寮監もまた、上司による指導鞭撻と無縁ではない――ため、支配被支配の関係に終わりはない。

「いいお返事ですこと。 一昨日新しい調教道具が届いて、誰かで試したいと思ってましたから丁度いいわ。 貴女方で試してあげますから、せいぜい頑張りをお見せなさいな」

 寮監の背後には高さが3メートルに達しようというガラスの巨箱が黒光りしており、仕切で左右に分かれている。
特筆すべきは床部中央に設置された鉄環を通り、無機質な1本の鎖が伸びている点。 もう1つは床上10センチの所にゴムチューブがついている点だ。 ゴムチューブは天井付近の金具を通り、傍にあいた穴をとおってガラス箱の外へと伸びていた。

「このコ、『逆転シーソー』っていう名前なの。 聡明な貴女たちのことだから、一目見ただけで用途は理解していることでしょうけれど、一応説明しますからね」

 いかにもおどろおどろしげな装置を前にしても、寮監は微笑みを絶やさない。  




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