〈微笑みの裏側〉-11
(……ど…どうなってるの…？)
一瞬だけ意識の飛んだ花恋は、今の自分の状況が分からなくなっていた。
上半身はキツく苦しく、両の立て膝の間には崩れた顔が三つ並んでいる。
そして周りには、重そうなカメラを構えた男達が、立ち位置を変えながらこちらを撮っている。
これは自分を被写体にした“撮影”だ……。
「やだッ!?やッ？やあッ!?やあぁぁッ!!」
股間に生えた花弁を摘ままれる感覚に、花恋は“現実”を取り戻した。
白桃のような果肉を押し広げられ、花弁を満開にされ、包皮を捲られた秘豆がオヤジ達とカメラの前に曝け出されている……その光景は再び意識を失わせてしまうほどの衝撃であり、しかし、花壷の入り口を指先で擽られているという非常事態がそれを許さなかった。
『これは綺麗なオマンコですなあ……穴も小さな巾着で……』
『アナルも負けずに綺麗ですねえ。この穴からウンチがブリブリ出るんだからねえ……』
「お!?お尻も…ッ!?とッ…撮っちゃやだあッ!!みな…見ないでお願いぃッ!!」
『全部見えてますぞぉ？花恋ちゃんのオマンコも肛門も、丸見えの丸出しにしてカメラで撮ってますぞぉ〜？』
遠くなっていく……。
花恋は英明という存在が、急速に遠くなっていくのを感じていた……。
花壷の入り口を円を描くように擦られるだけで、花恋の臀部はムズムズと騒ぐようになっていたし、充血に膨れた秘豆を擽られるだけで、このキモオヤジ達に媚びるような声が出てしまう。
何度も繰り返されてきた
「こんなはずじゃなかった」
という後悔は、既に取り返しのつかない状況にまで陥った花恋を非情にも責める。
生理的に受け付けないオヤジ達相手にも快感を覚え、どんな弁明も不可能にしてしまう肉体の反応は、今も一心に自分を信じて待ってくれている英明を愚弄するものだからだ。
「く…ああぁあぁッ!?」
何れかのオヤジの指が花壷に潜った瞬間、花恋は自己嫌悪に陥るに充分な〈悲鳴〉をあげてしまった。
それは肉襞を掻き分けて内部をまさぐり、英明と花恋の絆までも引き裂こうと蠢く。
『花恋ちゃんは誰でもイイんだろう？ンフフフ〜……オマンコさえ気持ち良くなれば……』
「ッ〜〜〜!!!」
探り回る指は花恋を“知っている”かのように急所を見つけ出し、そして艶かしい動きでもって快感を沸き上がらせた。
花恋は噛み合わせた歯が砕けんばかりに噛み締め、一切の声を封じに掛かる。
(私には英明さんしか…！英明さんしか居ないのッ！)
本当ならば、こんな見ず知らずの男なんかに抱かれた時点で恋人失格だろう。
その上に、ましてや喘ぎ声など……。