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「淫らにひらく時」
【若奥さん 官能小説】

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「淫らにひらく時」-2

「お風呂はもう済んだの?」

まだ、寝てはいないだろうと思ったけど、帰宅したら主人はテレビの中のスタジアムから、ふとこちらに目を移した。
寝入ったら朝まで絶対起きないような人なので、寝静まってから帰ってくる事を想定していたはずだったけど、思いのほか早い帰宅になってしまった。
どこか気が退けたのかも知れない。
もう少し時間を潰そうとしたのだけど、どうしても間を持たせる事ができなかったのだった。
彼だってきっと、所帯持ちなのだろう・・・

「どうだった?」

「あ、えっ!?」

「みんな揃った?」

テレビの中では歓声と白いボールを客席に打ち込んだ男がガッツポーズで駆け抜けている。
これは数時間前の録画で、その頃私はよく知らない男と怠惰な時を過ごしていただろう。
ここにいる私は今日、同窓会に出席していた事すら忘れていたのだ。
ただ、この質問に対する回答はあらかじめ用意してあった。

「もうね。何年も経っちゃうとほとんど連絡が取れないってね。だけど、仲良し三人組は再結成できてよかったわ。」

「女子はまあ、連絡も難しいんだろうな。」

「そうね。・・・てか、名前聞くまで、もう誰が誰だか分かんない状態だし。」

私は中学の同窓会と言ってたんだか、高校の同窓会と言ってたんだか、忘れてしまっていた。
些細な事だけど、そこでボロが出ないように注意をしたい。

「ねえ、時々だけどさあ。カズサたちと会いに出かけてもいい?」

「ああ・・・」

主人は何かその後の言葉を続けようとして、それを止めたように思えた。
それは「その旧友の家庭は大丈夫なのか?」みたいな事だったんじゃないかと想像する。
そこで私は失くした言葉を上塗りするようにこんな言葉を付け加えたのだった。

「なんだかね。顔を合わしてると、いつまでもあの頃の気持ちでいられたような気がするの。」


洗濯機を回す。
蓋はやがて閉じてしまわない事には脱水ができないのだけど、私はいつも水が注がれて汚れものが回っているのをしばらく眺めているのだった。
ひらりと渦の中に、あの時着けていた下着が舞った。
見せる事を前提に着けて出かけたそれは、Y字型に切り込みが深くて大胆ではあったけどお尻が下がって見えはしなかっただろうか?

少し前ならば、姑の下着もちゃんと洗濯していたものだった。
最初は自分たちの汚れものは自分で洗うといい、結局は私が洗っていた。
そんな事は別に構わないのだけど、私たちの下着と一緒に洗われるのを嫌うのだ。
それで下着も二回、タオル類も二回。それぞれ別々に洗濯しなければならなかった。
そのくせ、何度にも分けて洗っていると「ムダだから、なるべくまとめて洗え」ともいう。

おかげでY字型の下着も姑の目につく事はないのだけど・・・


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