第16話 夜這いに沈む清純-3
男だと気付いた友香は、しかし、もう、抵抗する力を失っていた。両手を乳房の下側の縁にあてがい、小刻みに高速で左右に揺さぶられ、それによって生じた怒涛のような快感に悶えた。ピンクローターはいつの間にかOFFになっていたのだが、友香は、乳房からの快感だけで4回目の絶頂を迎えた。
絶頂の余韻から回復した時、友香は、自分が男の唇に吸い付いている事に気が付いた。いつの間にか唇を奪われていただけでなく、自分から、すさまじい吸引力で吸い付いてしまっていたのだ。ファーストキスの瞬間は、記憶にすら残らなかった。
激しいディープキスの間に、男は友香の手に、ピンクローターのリモコンを握らせた。そして、また乳房を弄ばれる。唇と乳房から立ち上る快感が、友香を誘惑した。しばらく逡巡したが、友香は誘惑に敗北した。友香は、ピンクローターのスイッチを、自らの手でONにしたのだった。
ローターの振動は、唇と乳房を顔も分からない男に愉しまれたままの友香を、そこから3回に渡って、絶頂に至らしめたのだった。
富美加は、うつぶせになってオナニーに耽っていた。布団の中で、片足を曲げて腰を浮かせ、腕を股間にねじ込んでいる。中指と薬指の2本が、深々とヴァギナに分け入って、第1関節と第2関節の中間あたりでGスポットを刺激している。指の付け根辺りでもクリトリスを刺激していて、存分に快感を貪る体勢だ。
何度目かの絶頂の後で、小休止を得ようと指を抜き取った時、それに変わった何者かの舌が、富美加のヴァギナを侵略した。富美加は、紗の仕業だと思い込んだ。富美加は、学校で弥生にレズレイプされた後、同じく弥生にレズレイプされた経験のある紗と、レズパートナーになって毎日レズプレイに励んで来たのだ。
教室で、体育倉庫で、お互いの家で、路上で、どこかのお店で、ひと目を凌げる場所を見つけると彼女達は、すかさず互いのヴァギナを刺激し合ったのだった。紗の舌がヴァギナの中を泳ぎ回るなど、今の富美加には日常茶飯事になっているのだ。
富美加はうつぶせで、尻を突き出すような姿勢になっていたから、舌のみが富美加の肌に触れてくる状態だった。だから、それが紗のものでないと判断する材料が無かったのだ。そしてその舌は、いつも紗の舌がそうする通り、富美加のGスポットをすかさず、寸分の狂いも無く正確に、狙い撃ちにして来た。
舌の突入から絶頂まで、10秒とかからなかった。絶頂しても、舌の蠢きは容赦が無かった。2回、3回と、絶頂を味わわされる。
3回目の絶頂の余韻から回復した時、富美加は、乳房を揉まれている事に気付いた。巨乳でも小ぶりでも無い、手頃なサイズの富美加の左の乳房を、何者かが手の平にすっぽりと収め、指の型を乳房に記憶させようとするかのように、五指を一斉にめり込ませてきていた。そしてその手は、明らかに男の手だった。たまらない程の恐怖や嫌悪や羞恥の念が、富美加の中で爆発したが、それ以上の快感が、股間から突き上がって来た。男に指マンされたのだ。
男の指は、富美加のヴァギナに突入するや、瞬時にGスポットを制圧し、富美加の全身の力を奪い去る程の快感を生じさせたのだ。恐怖も嫌悪も羞恥も、あっという間に跡形も無く消し去られ、乳房とヴァギナから全身へと放射される快感に、身も心もゆだねるしかなくなってしまった。
指マンでも富美加は、どこの誰かも分からない、顔すらも未だに知らない男に、3回の絶頂を味わわさせられた。そして男は、富美加の手を彼女の股間に導き、彼女の中指と薬指をヴァギナに刺し込んだ。さっきオナニーしていた時と、同じ状態だ。そうしておいて、男は富美加の両乳房を揉みしだき始めた。背中にぴたりと抱き付いて、前に腕を回して揉んで来ている。うなじも舐められた。絶頂の余韻で脱力状態の富美加には、耐えられ無い程の刺激が、うなじと乳房から、全身へと走った。
ヴァギナに刺し込まれていた指は、無意識の内に蠢《うごめ》き始めていた。思考力を漂白されつつも、富美加の指は正確にGスポットを捕えている。何度も何度も、散々指でオナニーをして来た富美加だから、指が、一番気持ちの良い動きを覚えている。
見知らぬ男の乳揉みと、舐め回されるうなじと、オナニーでのヴァギナへの刺激で、富美加の快感は急激に上昇する。唇も奪われた。ファーストキスなどという言葉は、一瞬も想起される事もないまま、富美加は気が付けば、男の唇に吸い付き、男の舌を咥え込んでいた。意識さえもする事無く、富美加はディープキスとベロフェラで、男に奉仕していた。
この体制で、富美加はここから3回、絶頂を堪能してしまう事になる。
沙希は、また男にクンニされていた。意識は完全に漂白され、股間から立ち上がる快感を寿ぐ以外、何も考えられない。身体もすっかり脱力し切り、両手も両脚も、だらんと伸ばされ布団の上に置かれていた。
目は焦点を失っている上に、部屋は真っ暗だったから、沙希は接近に気付かなかった。が、沙希は、突如キスされた。誰かに、突如唇を奪われた。男は、彼女のヴァギナをペロペロと舐め回している。しかし、誰だろうという疑問を思い浮かべるより先に、沙希はその答えにたどり着いた。
その唇の感触は、沙希にはとても馴染みのあるものだった。何度も唇で触れた事のある唇だった。何度もレズキスを繰り返した唇だった。沙希は、想起されていた名前を、囁いた。
「加奈・・」