夕夏 スカートを穿いたまま-2
俺は彼女の懇願を無視した。
「さて、ここで質問なんだがね、矢代くん。きみのそのスカートの中は今、どうなっている?」
「ど、どうって言われても…。先生に言われた通りに下着を取りましたから、何も無い状態です。」
「つまりノーパンということだ。学校の中でパンティを脱いでノーパンになるなんて、ずいぶん大胆なことをするね。」
「な、なにを言ってるんですか!先生がそうしろとおっしゃったから…。」
「あはは、冗談だよ。でも、スカートの中に何もないのは冗談なんかではなく事実だよね?」
夕夏は少しスカートを押さえた。
「え、ええ、その通りです。」
「ということは、スカートを捲ったらどうなるのかな?」
夕夏は俺の言っていることの意味を瞬時に理解し、顔を強張らせた。
「もう一度訊くよ。パンティを履いていないスカートを捲ったらどうなる?」
「な、中が…。」
「中の何が見えるのかな。」
夕夏は口をモゴモゴさせるばかりで答えられないでいる。
「あー、名詞は言わなくていいよ。見えてしまうのがどういう所なのか、をレポートだと思ってきみなりに表現しなさい。」
しばらくの間視線を宙に漂わせ、夕夏は答えた。
「通常、他人には決して見せない体の一部分です。」
彼女らしいシンプルかつ明快な表現だ。だが、十分ではない。
「その部分は体のなかでどういう役割をもっているのかな。」
「生殖の為の性器です。」
「よくできました!やっぱりきみは優秀だねえ。」
大げさに褒めてやった。
「きみの言う通りそこは生殖に係わる部分だ。誰に教えられたわけでもないのに異性のそこに強い興味と欲望を感じてしまう。そうだね?」
「はい、そうです、先生。」
いつもの教員と生徒の関係に戻っていた。
「ほう、それじゃあ私のここにも興味と欲望を感じるわけだ。見せてあげようか?」
「…。」
虐める者と虐められる者に戻った。
「見てくれないんだ。じゃあ、きみが見せなさい。さあ、ノーパンのスカートを捲ってそこを丸出しにしなさい。」
夕夏はギュっと両手を握りしめた。何を言われても逆らうことの出来ない今の状況は理解している。絶対に見られたくない所を曝してしまうことを分かっていながら捲るしかないのだ。しかし同時に、気絶しそうなほどの恥ずかしさが、そうさせまいともがいている。
「捲らない?そりゃそうだよね、通常、他人には決して見せない部分、ときみが言った通りなんだから。でも、もう分かってるよね?今のきみは通常ならざる状況に置かれているという事が。」
夕夏は床に視線を落とし、小さく頷いた。
「しょうがない。普段の勤勉さに免じて少しだけ譲歩するよ。捲らなくていい。」
視線を上げ、瞳に安堵の光を浮かべた夕夏。しかしそれは一瞬のちには消えてしまう光だった。
「捲らなくていい。きみはじっとしていなさい。私が捲り上げて見せてもらうから。」
持ち上げておいて落とす。初歩的な手法だが、効果は絶大だ。見られなくて済むと一旦は思ったスカートの中を、見られることが決まってしまった夕夏はうな垂れて無言のまま動かなくなった。俺はイスから立ち上がり、スカートの裾を両手で掴んで、彼女の顔を覗き込みながら焦らすように少しずつ捲り上げていった。時間をかければかけるほど、夕夏の恥辱は長引く。その証拠に、彼女の膝の震えが次第に大きくなっていく。
「どうしたの?トイレを我慢してるのかな。」
夕夏が小さく首を振った。
スカートはもう、彼女の白い太もも、そしてその根元に広がる平野を一ミリも隠すことが出来なくなり、全てを曝け出している。