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〈不治の病〉
【鬼畜 官能小説】

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〈不治の病〜治療用献体・笹木希〉-8

(い、息を吸ったら…ッ!)


希は必死に呼吸を止めて抗い、マスクを顔からはね除けようと藻掻いた。
一息でも吐いたら意識は消えてしまうのだから、何としてもそれだけは防がなければならないのだ。


『同じ病院のお医者さんを信用してないのかい?君をもっと〈魅力的〉にしてくれるんだから……さあ!』

「ふご……ッ」


毟るように陰毛を握られた刹那、希は思わず息を吐いてしまい、そのまま微量のガスを吸ってしまった……吸い込まれるように意識は消えていき、それは抵抗する気力の喪失に直結する……。


『……麻酔効きましたか?』

『もう大丈夫です。つねっても叩いても起きませんよ』


涙を滲ませた寝顔……悪鬼の手中に堕ちた純白の天使の周りには、恐ろしい計画の始まりに期待感を隠せない笑顔だけが並ぶ……その笑顔達は真っ白なシーツに覆われて、手術室へ直行するエレベーターへと運ばれていく天使をただ見つめていた……。


『先生、あとは宜しくね』

『簡単な施術ですからね。任せてください』

『終わったら520B号室に連れてきてね?大人しく待ってますから』


オヤジも患者達も個室から出ていった。
工藤という医師に希は委ねられたのだし、あとは要望通りの《仕上がり》になるのを待つだけだからだ……。









――――――――――――



『へへ…やっぱりヤラレてたか……』


重油の燃焼音が轟轟と響く部屋は、軽く汗ばむくらいに暖かかった。
その中で犇めく群れはボイラーの発する熱に負けないくらいに熱く、それらは一人の女性を奪い合うように固まり、汗だくになって体液を散らしていた。


「ハアッ!んは…ッ!ふはあッ!」


埃や垢に汚れた裸体は、後ろ手に縛られた状態で患者達に姦されていた。
かなり窶れたとはいっても性欲を抱かせるに充分で、美貌のナースにありつけない患者達は、絶え間なく製造され続けている精液を、その女性に何度も注入させていく。


『随分と“お楽しみ”じゃねえか。旦那が必死こいて捜してるってのによぉ?』


オヤジはバックから姦されている女性の頭を軽く踏み、罵りの言葉を吐きつけた。
長閑な田舎町に刺激的なニュースを提供させた悲劇の人妻は、未だ市立病院のボイラー室に監禁されたままだった。



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