The depression of kira-16
キラの舌か唇か、それとも思い切って飲み込み喉でペニスを締め付けた瞬間だろうか。
ディックは唐突に叫び声を上げると、キラのアッシュブリーチの乱れた髪を掴んで股間から引き離し、快感を振り払うために激しく喘いだ。
何かはわからない。組み合わせなのか、どこかに隠された性感を暴いたからなのか。とにかくキラはディックを射精寸前まで追い詰めた。
目の前のご馳走を掠われた犬のような目をしてキラはディックを見上げる。
ディックの目が据わる。その瞳にはサディスティックな色彩が宿った。
息づかいも荒く顔を寄せると、囁くようにキラの耳に息を吹きかける。
「……Open your butt, KIRA」
その瞬間が、やってくる。ずっと待ち望んでいた願いが、叶う。
キラはその幼く華奢な白い裸身をうつ伏せ四つん這いになり、腰を突き出すようにしてディックの目の前に晒けだす。恥ずかしい場所を全部。
キラは潤んだ瞳をディックに向け、子犬のようにもじもじとしながらその水蜜桃のように瑞々しい双丘を可愛らしく揺すった。
「Oh……Nice and beautiful」
ディックが驚嘆の眼差しでキラの淫らな姿態を見てため息をつく。
キラの頬は欲情に淡い桃色に染まり、不思議な虹彩を放つ瞳は期待に輝いている。どこか悪戯っぽい微笑みの隙間に真珠と同じ歯が覗いた。
ベッドと下腹の間に遊弋するキュートな陰茎がモビール作品みたいに揺れる。
このグラフィックに名前があるとすれば、それは「痴態」。美しく、儚い程に壊れやすい束の間の淫らな肉の淫具。
「あ、あ、ああんっ、Look at thisっ、Is this good ?」
高く突きだした二つの双丘に手を回し、深く指を肉に食い込ませてアヌスを開く。
そこにはディックと逢う前に仕込んでいた媚薬入りのローションが肛門の肉をしっとりと濡らしてフレンチの前菜、テリーヌのゼリー添えとなってディックの性欲を煽る。
「……Very very good. It's cute, small and very beautiful」
ボク美味しそうだって。そう、ボク美味しいよ、この濡れたお花はあなたの蜜を待ってるの。このお花を蹂躙して、略奪して、凌辱して、散らしてっ。鉄の斧で小さな野草を刈り取って、臼で摺り下ろして煮詰めてちょうだい。可哀想なお花をジャムにして啜って。あああっ、早くっ、早く望みを満たして。変態の男の子が穢して欲しいって、お願いしてるんだよ。同性愛と幼児性愛に児童虐待もおまけして、最っ高に犯罪してっ。しかも外国から来て日本の男の子を餌食にする。ボク、哀れな暴虐の生け贄になるのっ
双丘の奥にある淫門を誘うようにうごめかせる。その肉の穴は開き、すぼまり、湿ったため息を繰り返す淫の花。その持ち主も、それにふさわしく。こんな事も言える。
「Stick your cock ! ……Pick hole in my anus ! い、入れてっ、あっついのっ!」
猥雑な言葉を並べ立てたとたん、熱病のような喘ぎが喉からこみ上げる。
双丘を「の」の字を描くようにくねらせ、哀願するようにディックを見上げ。
「……Popping my black cherry ! 突き刺して!や、破って!」
肛門の入り口にディックの肉棒の先端が触れるのをキラは感じる。期待と不安が限界まで膨れあがり、気が狂いそうだ。
メリッ…
音こそしなかったが、キラの耳には肛門がその肉を迎え、軋みを立てるのを聴いた。
「Ahhhhh !………Great ! Nice and Hard ! お、おっきいっ!」
生まれて初めてのセックスは想像以上だった。
生の肉。脈打つペニスはまずその質量に圧倒される。いままで躯に入ってきた玩具とは比べものにならないリアルな硬い肉はキラの下腹部を膨れあがらせる。
そして、火傷しそうな猛烈な熱がキラを襲う。
小さな頃、誤って沸騰した熱湯を飲み込んでしまった時の、食道を爛れさせ胃の腑を灼いたときのパニック。それをお尻からやらかしたみたい。
それから、それから。
とにかく大きい。そして、逞しい。全てを預けてしまいたくなる程に。強靱な鉄のように。