できない友達-1
河沿いの林の中に、小さな公園がある。白いベンチが一つあるだけで、教室の半分の広さもない。大きな河の緩い流れはおだやかだし、春は陽が当たると風まで暖かい。
あたしはよくここに来る。誰もいない。淋しくても人に会いたくないとき、ここはとても素敵だ。見上げれば霞んだ青空と、囲む高い木の枝が見える。目の前は河。遠い向こう岸から風に乗って声が聞こえてくる。草花で一杯の地面はふわりと柔らかい。
自由な感じをもっと出したくて、あたしはパンツを脱ぐ。スカートに風が入ってくるよう、膝を立てて大きく脚を開く。お尻の穴がひやりとする。あそこを開いて陽を当てると、あそこが息をしている気がする。掻くようにあそこをこすれば、あたしは青空と一つになる。満ち足りた気分になったら、一時間くらい眠って、あたしは帰る。
「あの子、ヤリマンなんだって。」
「あだ名、オメコにしない?」
「それ、言いたくないよね。」
「だったら、オコメ?」
「オヨネにしようよ。」
四月に六年生になるけれど、五年生のクラスであたしに友達はできなかった。のんびりとしたこの町の雰囲気が、引っ越す前の所よりあたしは好きだ。クラス替えして早く友達ができてほしい。
「オヨネは男子と遊べばいいでしょ。あたしたち、先に行くから。」
あたしはいつも断られる。
「遊ばねえよ。でも、人数足りねえから入ってもいいぞ。」
よく啓一君という男子が声をかけてくれる。けれど、あたしにサッカーなんかできる訳ない。
「できないから、いい。」
昼休みはいつも一人だ。
思えば、女子の友達があたしには殆どいたことがない。少し仲がいいのは、みんな男子だった。男子と仲良くなると、女子にますます嫌われていく。一緒にすることもないし、あたしは男子とは距離を置いていた。ただ、今になるまで女子に避けられているのは、やっぱりあたしの悪癖のせいだろう。
「オヨネ、ちょっと頼みがあるんだけど。屋上の階段とこ、いいかな。」
「いいよ。」
クラスの男子二人が廊下であたしを呼び止める。あたしは笑顔で答えてあげる。
あたしには決めていることがある。頼まれたら男子に胸を触らせてやるのだ。女子の体は見たいし知りたいだろうから、あたしは悪いことだと思わない。
その代わり、あたしは触った子のおちんちんを舐めさせてもらう。
汗のにおいもおしっこのにおいもあたしは好きだから、誰のでも平気で口に入れられる。
「ここ、ぎゅっとされると死んじゃうんでしょ?」
あたしが言って摑んだときに怯える男子の顔がとても好きだ。あたしの手の中に男子の命がある。潰せる硬さの二つの丸い小さな塊を、一つ一つ口に吸い込んで、痛がるまで吸ってやる。
そのあと大抵の男子はあたしが怖くなるみたいで、あたしに二度と近づいてこなくなる。それでも、胸のことを頼んでくる男子は何人もいた。
言わないよう、男子には釘を刺していたけれど、あたしの悪癖は女子にも知られているみたいだった。
それでもあたしはやめるつもりはない。おちんちんの舌触りは、そのうち、あたしから頼みに行くようになるかも知れないくらい、好きだから。