裸-5
翌朝。
ちづるは6:30頃、目を覚ます。
和室の寝室は
ベージュ色のカーテンから
朝日が射し込んでいる。
ぼんやりと天井を見た後に
タクミを見る。
黒い部屋着を着ているタクミは、
うつ伏せの体勢で気持ちよさそうに
寝ている。
寝顔も整っている、と思いながら
しばらく見つめる。
「、 、 、、 」
綺麗な 顔だなぁ
、 、 、 、、 !!
って !
昨日の、、布団 〜っ !
ちづるは
ゆっくりとタクミの布団から出る。
足音を立てないように
ゆっくり動いて隣に敷いてある
自分の布団の上に正座で座る。
掛け布団を静かにどける。
「、 、 、、 」
あ 、。
これ だ
、 、 、 、、、。
敷き布団の、真っ白なシーツに
野球ボールほど大きくないが
うす黄色のシミがある。
そのシミを、じっと見つめる。
恥ずかしさと情けなさが
同時にこみあげる。
「 、 、 、 、、はぁ 」
駄目だ
本当
もう、
嫌だ
、 、 、 、 って、
落ち込んでる暇 ないかも、!
タクミ君に これ
見られる訳にはっ !!
それからちづるは
布団のシーツを、
音を立てないように剥がし取り
それを運ぶ。
脱衣所に行き、洗濯機をかける。
再び静かに寝室に戻る。
タクミを見ながら、
起こさないように
自分の布団の掛け布団を畳む。
それから敷き布団を運んで、
ベランダに干す。
リビングに行き、テレビをつけて
天気を確認すると
1日晴れるようでホッとする。
ソファーの前に突っ立って
朝のニュースを見つめているが、
内容は全く頭に入ってこない。
別の事を、必死に考え始める。
「 、 、 、、っ 」
気まずい、、、
どころの騒ぎじゃ ない
どんな顔 したら
昨日の自分を思い出す。
エッチをする、と子供のように
駄々をこねた事。
漏らした後、
もう布団を汚さないように、と
タオルを出そうとしたタクミに
反対した事。
タクミに部屋着のトレーナー
を脱いで欲しいと言った後
着て欲しい、と言った事。
鼻血を、出した事。
そしてそれによって
2回目のセックスでタクミが
イく事が出来なかった事。
頭の中が呆然とする。
どこから
何を考えれば良いのか分からない。
「、 、 、、あやま
る ? 」
何を?
ってゆーか、どこを?
ううん どれを ??
全部 ?
、、、って、 何個? ?
「 、 、 、、っ 、」
どう しよう 、、。
それからちづるは
少し落ち着いて考えようと思い
紅茶を入れて、
ソファーに座る。
しかし、いくら考えても
答えが出ない。
タクミに謝りたい気持ちは
胸の中に、確かにある。
が、タクミに何に対して
謝っているのかを質問されたら
どうしよう、と考えてしまう。
紅茶の入ったマグカップを
持ちながら、頭をガックリと
下げてブツブツ独り言を言う。
「、 、っ 謝りたい事
多すぎるし、 、、 」
『 何が〜? 』
とか。
聞かれたら ?
最初の? エッチするって
ワガママ 言った所から ?
でも それ以前に、、、
「、 、、昨日の 事、、
思い出してほしくないし、、、
、、、、、。
ここは、、、
あえて 昨日の事は
触れないで、、、、」
で ?
タクミ君が昨日の事
言ってきたら?
そしたら 謝る?
でもそれ どーなの?
大人として
、、、ってゆーか、人として
「、 、、っ 、、
、 、、、 っ はぁ 」
あれこれ考えていると、
いつのまにか洗濯が終わっていた。