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素肌のままで
【女性向け 官能小説】

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「今日は南京町に行こ」
「中華街、ですよね?」
「そう。こっちでは南京町って言うねん」
「嬉しい。行ってみたかったんです」
「横浜のに比べるとコンパクトやけど」

夜になって無数の赤い提灯に照らされた南京町は
異国情緒あふれる神戸にピッタリで
ずらっと並んだ屋台のような店先は
とってもカラフルで可愛い感じ。

神戸の南京町は横浜の中華街よりも食べ歩きが多いような気がした。

南京町広場のあずまやはいかにも中華っぽくていい。
「ここで待ってて」
そう言って目の前の長蛇の列に並びこみ豚まんを三浦さんが買ってくれた。
「美味しい!」
私のその言葉に嬉しそうに笑って
そこから目につくものをドンドン買ってくれる。

「たまにはこんなのもえぇやろ」

2人でゆっくりと1軒1軒眺めて
提灯の不思議な赤い光に照らされながら歩いていると
2人きりで異国に迷い込んだような錯覚さえ起こす。

「今度神戸の夜景を見に行く?」
「あ!行きたいです!」

そんな約束をしながら、楽しく歩いて
そんな不思議な感覚もあっという間に南京町を通り抜け
終わってしまった不思議な感覚に戸惑った。

「なにか食べに行く?お腹は?」

人が混みあっていた南京町で、はぐれないように自然につないだその手は
通り抜けた後もつないだままで。

お互いに気づいていないふりをした。




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