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素肌のままで
【女性向け 官能小説】

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-3


それでも寒い神戸の夜に手袋をしていない手は凍りつきそうで
三浦さんは私の手をつないだままそっと自分のコートのポケットの中に
手を入れる。

「お腹はいっぱいです」
笑ってそう答える私に
「じゃぁ、飲みに行く?」
やっぱり笑って三浦さんが耳元で囁いた。

そのまま私たちは寒い夜空の中を歩き出す。

感じの良いバーは、三浦さんの行きつけらしくて
ほんの数人しか入らない秘密の部屋のようだった。

綺麗な色のカクテルを出されて
一口飲めば口当たりが良くて

「真実ちゃん、口当たりは良いけど飲みすぎんようにね」

なんて苦笑いしている。

本社での話や
伊藤さんと青木さんのその後を話したりなんだかふわふわな楽しい時間になった。

「三浦さんは伊藤さんが好きだったんですよね?」
お酒の力を借りでそんなことまで聞いちゃえば
「初めの合コンの時から彼氏がおるってけん制されてたし
その日、家まで送って行ったら葵ちゃんの部屋で青木と遭遇してん。
だから、二人の関係は初めから知っとった」
「そうなんですか」

「だから、好きにはなってないよ」

バーの間接照明で、さらに妖しく色っぽい。

「真実ちゃんは?ほんまに浮気されたときに
憂さ晴らし出来るようにエリートと結婚したいん?」」

ホンの少し考えて本当の事を言おうと思った。
「うち・・・裕福じゃなかったんです。
お金のありがたさとか大切さって子どもの頃から本当に感じてきました」
「うん」
「お金はないと不安です。その怖さは良く知ってます。
少しでもお給料の高い、いい会社に入ろうとして、高望みしすぎたんでしょうね。
就活は失敗しました」
「そっか」




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