魔女の手習い-5
「ようし、いいだろう」
リリの思考に構うことなく、アリスはその洗濯バサミを指で弾いた。
「あううっ…」
その痛さで、感じていた既視感はぶっ飛んでしまった。
「まあまあの反応だな。これなら鍛えれば大丈夫だろう」
アリスは満足げに頷いた。
リリは乳首の痛みに堪えながら、アリスのその反応にほっと安堵した。これは魔女になるための試練だと思った。それを乗り越えることなく、せっかく掴んだ母親の足跡を失うわけにはいかなかった。
しかし、そんなリリに対して、アリスはさらに過酷な課題を示した。
「次はこれだ。これによって本当の意味でのお前の適正がわかる。しっかりやれよ」
そう言ったアリスは、1本の箒をリリに差し出した。
魔女の箒!
それを前にリリの目が輝いた。これに跨がり、自由に空を飛ぶ自分の姿を、幾度想像したことか。
ワクワクするリリの前で、アリスは天井から垂れ下がった2本のベルトに、その箒の柄の前と後ろを固定した。
箒はリリの股間の高さより少し高い位置で、ブランコのようにユラユラと揺れていた。
「さあ、跨がるんだ」
ニヤリと笑ったアリスが命じたが、リリは戸惑ってしまった。
「アリス様、あたし、まだ飛び方を習ってません」
リリは正直に告白した。
「はああ?何わけのわからないこと言ってんだ!さっさと跨がれってんだよ!」
アリスは何処から出したのか、手にした鞭で、動物の調教師がやるように、床をビシッと叩いた。
「ヒッ!」
驚いたリリは、慌てて箒に跨がった。
「あううっ…」
当然ながら飛び方をしらないリリの剥き出しの割れ目に、箒の柄が食い込んだ。
「あはは、どうしたんだい。そんな顔して」
「ああん、オマンコに、オマンコに…ああん、痛い…」
苦悶の表情を浮かべたリリは、苦痛の余りに思わず恥ずかしい言葉を口にした。その痛さから逃れるために、幾ら爪先立ちになろうとも、リリの体重は割れ目で支える状態から逃れることはできなかった。
「ううん、いい声で泣くじゃないか。お前も母親みたいな極上のマゾになれそうだな。ウリウリ」
アリスは乳首に挟んだ洗濯バサミを捏ねながらそう言うと、恍惚の表情を浮かべた。
リリはアリスの言った言葉が引っかかった。余りにも痛すぎて、聞き間違えたと思ったが、それが気になって聞き返した。
「あううっ…い、今、何て…、くうっ」
「奴隷の分際で聞き直すとはいい度胸じゃないか。まあ、まだ入ったばかりだから多目に見てやろう。お前はララみたいに極上のマゾに成れるって言ったんだよ。ウリウリ」
アリスは箒の柄を握って、それを上下に揺さぶりながら、その言葉を繰り返した。
「痛いいいっ!」
痛さに身を捩ったが、それでも大事なことだ。母親の名誉にかけても、リリは言わなければならなかった。
「お、お母さんは魔女です。マゾなんかじゃありません」
「へっ?」
リリの唐突の言葉に、アリスの責めの手が止まった。
「ララが魔女?あんた何言ってんのさ。一体誰がそんなことをあんたに吹き込んだんだよ」
「じ、じいちゃんです」
「ジオがあ?どうして?」
アリスがキョトンとした。
「じ、じいちゃんからそう聞かされました…」
全裸で乳首に洗濯バサミを挟み、割れ目に箒の柄を食い込ませたリリが、眉間に皺を寄せながら答えた。
そのリリの苦し気な姿を見ていたアリスが、何かに思い至ったのか、突然笑い始めた。
「あははは、お前サイコー!」