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魔女の手習い
【ファンタジー 官能小説】

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魔女の手習い-1

【魔女の手習い】

ここは前近代ヨーロッパのような世界。機械化の意識が高まるのは少し先で、剣と封建制度、さらには魔法がこの世の中枢を担っていた。

そしてリリの話す原語は、現在の日本語に似ていた。これはとても重要なことだ。


リリは地図を片手に、その古びた門を見上げた。

「ここでいいのかな…」

アーチ型の門の上に掲げられた看板を見ながらつぶやいた。

看板の文字を目で追い、少し戸惑いを見せていたリリだったが、直ぐに納得したような表情を浮かべた。

「そっかぁ。魔女に対する偏見もあるし、わざとわかり難い看板にしてるんだ」

リリは改めて看板を見直した。確かにその名称を記した看板は、頭の一文が違っていて、一見するとわかり難かった。

それでも箒に跨がった女の影絵のイラストと、【特殊技能取得】の補則文字を読めば、ここが目的の【魔女養成所】に間違いないとリリは納得した。

リリが、魔女に成ろうと思ったのには理由があった。

それはリリが物心が付いた頃のことだった。突然、母親のララが家を出ていったのだ。

「どうしてなのぉ〜」

幼いリリは涙ながらに、その理由を同居していた祖父のジオに問い質した。ジオは重い口を開き、ララは魔女であり、魔女の使命故に家を出たと聞かされた。

魔女は少女達の憧れだった。涙に濡れた幼いリリの目は、自分の母親が魔女だと知った途端に、パァーッと明るく輝いた。

幼いリリは、自分も同じように魔女になれば、いつの日か母親と会えると思ったのだった。

「お母さん待ってて。あたしも早く魔女になって、お母さんに会いに行くからね」

その門の前で、改めて決意を固めるリリだった。そんな決意に水を差す声が、リリの耳の奥で甦った。

「都会は怖いとこだべ。オメみてな小娘は、直ぐに騙されて売り飛ばされてしまうべ。そたらとこさ行がねで、ここで暮らせばよかろ。思い留まれ」

魔女になるため家を出る決意を伝えた時に、育ての親の祖父のジオから言われた言葉だった。しかし、リリはその注意を半分以上も聞いていなかった。

「うぜ〜」

そんな言葉が口から出るほど、ジオとの2人暮らしのこの家を、リリは一刻も早く出て行きたいと思っていた。

何故なら、リリの胸が大きくなり、生理が始まった頃から、リリを見るジオの目付きが急激に変わったからだ。その頃からリリは風呂を覗かれることが多くなった。

「やだ、じいちゃん、覗かないでよ!」

しかし、それはまだ序ノ口だった。

「うそでしょ!またパンツがないじゃないの!」

汚れた下着を持ち出されることが頻繁になり、日増しにリリは身の危険を感じるようになっていった。そしてついに決定的なことが起こってしまった。

深夜、リリが異常な気配に目を覚ますと、自分の下着を脱がそうとしていたジオと目が合ったのだ。リリの寝間着の上は捲れあがり、既に胸が晒されている状態だった。

「きゃー!じいちゃん、何してんのよー!」

「おんやあ?ここはどこだぁ?オメはだれだぁ?」

「ここはあたしの部屋で、あたしはてめーの孫のリリだよ!」

そう返しながら、胸に伸びてくるジオの手を払った。

「あんれまあ、オメはリリでねか?すまね、オラァちょっこし寝ぼけちまったみてえだなぁ」

そう言ったジオの目は、寝ぼけたと思えないほど血走り、股間はギンギンに盛り上がっていた。

翌日、手の形に頬を赤く染めたジオに対して、リリは宣言した。

「あたし、今日この家を出るからね」

身の危険を感じたリリの決意は固かった。


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