従兄妹と嫉妬-2
「今帰りか?」
「うん、一兄こそどうしたの?」
彼は柊一葉(いちよう)。私の母の兄の息子で、私より10歳程年上のお兄さんだ。
「いやぁー、研修で丁度こっちに来ててさ、爺ちゃんからお前が居るって聞いたから。」
「それで態々学校まで?」
「まぁな、可愛い従兄妹がどんな学校に通ってんのか気になってな。」
「ふふ、相変わらずだね。」
彼とは親戚同士、故に会うのはお盆や正月くらいだ、それでも私の事本当の妹のように大切に可愛がってくれて。私にとっても大好きなお兄さんだ。
「へぇー、叔父さんと叔母さんも私の家に?」
「あぁ、俺も研修終わったら軽い春休みに入るし、両親も旅行でここに来てるし折角だし大勢で集まって焼き肉でもどうかなって。」
「うわぁーー♪良いなぁー!楽しみぃー。」
その話を聞いて、急に気持ちが舞い上がってきた。喜ぶ私を見て彼も嬉しそうに私を見つめる。
「所でそっちの子は?」
急に風馬君の方を振り向き、尋ねる。
「彼は風馬君、小鳥遊風馬君。私の幼馴染よ。」
「…あぁ、昔ちらちらと話に出てきたような。」
そして大事な事もちゃんと説明する。
「私の大切な恋人。」
「っ!」
風馬君の腕を抱き、彼も不意の出来事に頬を染める。
「……ふーん、彼氏ねぇ。」
「?」
一瞬一兄の目が冷たく見えた気がした。